特集 臨地実習指導に問われるもの
実習指導を通して学んだ“臨床看護師”から“教員”への視点
亀山 直子
1
,
水戸 美津子
2,3
1山梨県立看護大学看護学部
2自治医科大学看護学部
3前山梨県立看護大学
pp.98-103
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100002
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はじめに
筆者は,11年間の臨床看護師を経験した後,平成15年4月に,老年看護学助手として山梨県立看護大学に赴任した。それまでは病院で実習指導者として学生と関わってきた。臨床で3年制の専門学校の基礎実習や老年看護学実習を2年間担当し,「臨地実習の現場で直接いろいろな事柄にふれて感情豊かな看護師に育ってほしい」そう強く思いながらその役割を担ってきた。そして一昨年から教員として臨地実習指導を担当することになった。大学の助手は,主に教授の指導を受けながら実習指導にあたる。私は毎日気になったことを教授に口頭報告し,詳細は実習指導報告書を作成して指導をうけた。
私はこの1年,多くの躓きや指導上の行き詰まりを経験した。しかし,“教員”と臨床の“実習指導者”の役割の違いに戸惑いつつも,多くの学生との出会いを通して,“臨床看護師”から“教員”へと,自分の視点が変化していくのを感じることができた。今回,そのプロセスを振り返ることで,教員としてのさらなる成長を目指したいと考えた。特に私に大きな変化をもたらしてくれた4人の学生との実習指導を通して,私の変化と学びについて述べることとした。なお,4人の学生には,個々に報告を作成した経過や意義について説明し,事前に全文を提示して本報告を公開する許可を得た。
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