特集 耳鼻咽喉科領域における症候群
Thornwaldt症候群
pp.1334
発行日 1967年12月20日
Published Date 1967/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203882
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Thornwaldt(1885)が,いわゆる鼻咽頭嚢の病変をもつ症例について報告したことから,Thornwaldt病という語が主として頭痛と後鼻漏を特徴とする症状群に対して用いられてきた。しかしこのような症状からその病因まで決めてしまうことは無理であるので,その代わりにThornwaldt症候群と呼ぶことにして,それがさらに咽頭嚢(Bursa pharyngica)の病変によることが明らかとなった場合,鼻咽頭嚢炎とするのが適当である(Hollender and Szanto,1945)。
咽頭嚢は咽頭扁桃の下縁,咽頭後壁の正中線上にあり,内腔が上後方に伸びる憩室様の構造物である。その先端は後頭骨体の咽頭結節の直前でその骨膜に付着している。
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