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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
IV.各論3:尿細管・間質性疾患(診断と治療)
6.Bartter症候群,Gitelman症候群,Liddle症候群
Bartter syndrome, Gitelman syndrome, Liddle syndrome
原田 涼子
1
,
濱田 陸
1
Harada Ryoko
1
,
Hamada Riku
1
1東京都立小児総合医療センター腎臓・リウマチ膠原病科
キーワード:
遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症
,
ENaC活性亢進
,
低カリウム血症
Keyword:
遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症
,
ENaC活性亢進
,
低カリウム血症
pp.310-315
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001620
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1 はじめに
1 「Bartter症候群」,「Gitelman症候群」とは
Bartter症候群(BS)とGitelman症候群(GS)は,それぞれHenle係蹄の太い上行脚と遠位尿細管におけるNaClの輸送の障害により,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(renin-angiotensin-aldosterone system:RAAS)の活性化による低カリウム血症と低クロール性代謝性アルカローシスを呈する潜性遺伝性尿細管障害である。そのほかの共通する症状としては,尿濃縮障害,血圧が正常でむくみがないことなどが挙げられる。典型的には,BSは胎児期や新生児・乳児期に発見され,羊水過多を伴い,多飲・多尿,正常血清マグネシウム値,高カルシウム尿症および成長障害を呈し腎機能障害進行がみられるが,GSでは学童期以降に発見され,低マグネシウム血症・低カルシウム尿症を呈するが,羊水過多や成長障害ならびに腎機能障害を合併することはほとんどない。倦怠感や塩分摂取過多,運動後の筋肉のけいれんなどを呈する。これらの相違は尿細管における障害部位の違いを反映している。
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