Japanese
English
神経画像アトラス
非ケトン性高浸透圧性昏睡に合併した脊髄硬膜外気腫
Epidural Emphysema Associated with Diabetic Nonketotic Hyperosmolar Coma
高谷 美成
1
,
内山 智之
1,2
,
村野 俊一
3
Yoshinari Takaya
1
,
Tomoyuki Uchiyama
1,2
,
Shunichi Murano
3
1とちぎメディカルセンターしもつが神経内科
2獨協医科大学病院排泄機能センター
3とちぎメディカルセンターしもつが内科
1Department of Neurology, Tochigi Medical Center Shimotsuga
2Continence center, Dokkyo Medical University
3Department of Internal Medicine, Tochigi Medical Center Shimotsuga
pp.671-672
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200800
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Ⅰ.症例提示
約半年前に糖尿病治療を自己中断し,認知症が疑われていた73歳男性が意識障害で救急搬送された。日本式昏睡尺度(Japan Coma Scale:JCS)100の意識障害を認め,血圧65/49mmHg,脈拍85/分・整,呼吸28/分,体温35.9℃とショック状態だった。血糖値773mg/dL,HbA1c11.4%と高値で,動脈血はpH7.56,pCO219mmHg,pO2152mmHg,HCO317.2mmol/L,BE−2.1mmol/Lと呼吸性アルカローシスを呈した。胸腹部CT(computed tomography)で,縦隔気腫とともに頸椎(Fig. 1)から胸腰椎(Fig. 2)にかけて脊柱管全域にわたる硬膜外気腫を認めた。尿中ケトン体も軽度陽性だったが,主体は高血糖による非ケトン性高浸透圧性昏睡と診断し,補液,インスリンによる血糖管理を行った。その後,徐々に意識,全身状態は改善し,1週間後に実施したCTでは縦隔気腫,硬膜外気腫いずれも消失していた。経過中,気腫による神経症候を認めなかった。
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