“ホッ”とspot
左主幹部閉塞から非ケトン性高浸透圧性昏睡まで
矢作 友保
1
1山形県立中央病院内科
pp.32
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903973
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症例は51歳の男性.1993年2月18日午後3時頃,強い胸痛が出現し当科受診.来院時(発症後2.7時間),心拍数98/分,血圧80mmHg,冷汗・末梢冷感など低灌流所見が著明.胸部X線上,肺水腫は明らか.心電図上,心室内伝導障害,II・III・aVF・V4・V5・V6でのST低下,I・aVL・V4・V5・V6でのT陰転,心室性期外収縮の頻発を認め,急性心筋梗塞(AMDによる心原性ショックとして緊急冠動脈造影(CAG)を施行.左主幹部(LMT)病変にて亜完全閉塞で,直ちにprimary PTCA(percutaneous transluminal coronary angioplasty)を施行して良好に拡張.低心拍出量症候群が続きIABP(intraaorticballoon pumping)からの離脱に難渋したが,3月1日抜去.このとき第1のeventが発生.抗凝固療法やIABPのウィーニングには細心の注意を払っていたが,両側総腸骨動脈分岐部にsaddle emboliによる完全閉塞が生じてしまった.これは緊急血栓除去術により事なきを得た.
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