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あとがき/読者アンケート用紙
河村 満
pp.658
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200197
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病歴を正しく取ることは神経診察で最も大切なことの1つである。知識が正しい病歴聴取の邪魔になることもあるので要注意である。
K病院のカンファレンスが終わったときに,「勉強になりました」と症例提示した臨床研修医M君に言われて嬉しかった。病歴提示の前に「お母様と2人暮らしの男性で,まだ46歳の方です。お母様からの病歴が正しく取れませんでした」というエクスキューズをM君が述べた。病歴には「発症後すぐに片麻痺があるのに運転した」など,確かに不思議な内容が書かれていた。言語聴覚士によると,言語症状は運動性失語疑いとのことであった。MRI所見は左側頭頂側頭葉の脳梗塞を示唆していた。運動麻痺の責任病巣が明確ではない。SPECTは撮像していないので,機能的には運動領域に異常がある可能性がある,とM君が説明した。
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