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あとがき/読者アンケート用紙
河村 満
pp.686
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200465
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私の勤めている病院1階にコンビニができたのは3年ほど前です。ATMやコピー機も備えていて,当初はすこぶる好評でした。しかし,最近時々,コンビニに対するネガティブなご意見も投書されるようになったのです。「病院内で売っている本の内容に責任を持てるのか?」というものです。アイスクリームを売っている冷蔵庫正面の,ほんの小さな一角に本棚があり,文庫本・新書を中心に並べてある棚があります。少し離れたところに,週刊誌や新聞も各種揃っていて,2,3人しか入れない書棚前のスペースはいつも満員です。病院ですから当然健康雑誌はよく売れるようです。生活習慣病や認知症,頭痛などのコモン・ディジーズに関連するものが多く,多くの本は平易で良心的です。しかし,内容が乏しい割には,大げさにもみえるタイトルの雑誌や本もないわけではありません。
あるときから,私自身が本棚を定期的に巡視し,販売本の内容をさりげなくチェックすることにしました。その活動の中でみつけたのが,光岡知足先生の『腸を鍛える』というタイトルの新書本でした(祥伝社新書,2015年)。ご自身の腸内細菌と腸内フローラ研究内容がわかりやすく示されており,読んでみるとおすすめの良書でしたが,当初はちょっと怪しい本として私自身がチェックしたことは間違いありません。そのころ私は,脳と腸との関連はあまり理解していなかったのです。
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