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編集後記
近藤 幸尋
pp.422
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207586
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腎細胞癌に関しての治療は近年目覚しい進歩を遂げています.小職が若い頃は,インターフェロンをはじめとした免疫療法が行われておりましたが,その後,分子標的治療から免疫チェックポイント阻害薬(ICI),そして今はICIとのコンビネーション治療が用いられています.
一方で,腸内細菌叢の研究も癌治療で進んでいます.本年2月号の編集後記では,腸内細菌がアンドロゲンを生成し去勢抵抗性前立腺癌に影響する話をしましたが,今回は善玉細菌であるプロバイオティクスに関する話題です.プロバイオティクスとは,宿主に有益な作用をもたらす生きた微生物を示す言葉であり,その語源は生物に拮抗的に働く「antibiotics」に対して,「生命のため」により生まれた言葉です.スーパーマーケットやコンビニエンスストアのヨーグルトや乳酸菌飲料コーナーでよく目にするものであり,健康増進や医療分野で広く期待されています.プロバイオティクスは生きた微生物を用いた生菌製品であり,われわれも抗菌薬の投与時にビオフェルミンR®やミヤリサン®などを投与しています.
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