--------------------
編集後記
近藤 幸尋
pp.168
発行日 2022年2月20日
Published Date 2022/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207451
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
小職がコンピュータに向かっている現時点で,コロナの感染拡大は第6波の状態にあります.読者の先生方も日々の診療および感染対策に苦労されていることかと存じます.小職も2回も濃厚接触者の疑いをかけられ,大変な思いをしました.現在の感染拡大をもたらしている一番の原因はオミクロン株ですが,ウイルス学の研究者の一部の分析では,「終わりの始まり(the beginning of the end)」とみられているようです.理由としては,オミクロン株は50か所以上の遺伝子に変異が入っていますが,修復遺伝子のnsp14に変異が入っていると考えられているためです.国立遺伝研の井ノ上逸朗教授によって発見された第5波のウイルスのAY.29のnsp14変異と同じことが起きるのではないかということです.このことが南アフリカや北欧での感染者数減少を反映しているのであれば福音です.後2〜3か月の動向によりこれらの理論が正しかったかが判明するのでしょうが,一臨床家としてはコロナが収束することを祈るのみです.
しかし,「人間とは何のために生きているのであろうか?」と考えてしまうことが多々あります.今回のコロナにしてもそうですが,いま話題の腸内細菌叢をはじめとした細菌叢も体のいたるところにあるといわれており,多くの情報から人間はウイルスや細菌の宿主として存在しているのか,それを利用しているのか甚だ疑問です.
![](/cover/first?img=mf.1413207451.png)
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.