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編集後記
近藤 幸尋
pp.940
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206762
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最近小職の勤務する大学において,大学院生の充足率に関する報告と大学院生のリクルートの依頼の手紙が来ております.現在の若人にとって,大学院および博士に対しての興味は薄いようです.専門医制度が引かれている現在では,後期研修医を終えてから専門医試験があり,その後に腹腔鏡手術の技術認定などサブスペシャリティの試験が続くため,卒後約10年間はそれらが中心となっています.それから大学院に入り博士論文を書くわけですので,博士の高齢化は避けられません.
8月に文部科学省の科学技術・学術政策研究所が「科学技術指標2019」を発表しました.科学技術指標はわが国の科学技術活動をまとめた基礎資料です.本指標から日本の状況をみると,研究開発費・研究者数はともに主要7か国中第3位,論文数は世界第4位,注目度の高い論文数は世界第9位,2か国以上への特許出願数は世界第1位で,研究者に占める博士号保持者の割合(高度研究人材の活用度)は産業分類によって異なり,日本は米国と比較すると高度研究人材の活用度が低い傾向にあるようです.また,人口100万人あたりの博士号取得者数では,主要国の中では日本のみ減少傾向が続いているとのことで,近年の論文数と博士号取得者数の減少を国は問題視しているようです.
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