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あとがき
玉木 毅
pp.376
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206001
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今回の診療報酬改定では,ダーモスコピーで4か月一連の「疾患」縛りが「病変」縛りに,多血小板血漿処置の新設,長波中波紫外線に円形脱毛症が追加,Qスイッチヤグレーザーの収載,皮膚切開術の増点,デブリードマン手術の増点と壊死性筋膜炎での縛りの緩和,センチネル生検に乳房外パジェット病が追加,爪甲除去手術の増点,Tzank(細胞診)でヘルペスが追加等々,日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会を通じた地道な要望が実を結んだ感がある(形成外科などからの要望もあるが).しかし,皮膚病像撮影料や爪甲肥厚症/鉤彎症への爪甲処置は依然認められず,100cm2未満の皮膚科軟膏処置は基本診療料に包括されたまま,爪甲除去処置も200床以上の病院では外来診療料に包括されたままのタダ働きで,今後も粘り強い要望が必要である.
一方,病院の立場からすると近年においては,こうした個々の項目の保険適用や点数の増減よりも,7:1入院基本料に踏みとどまるか10:1に転落するか,さらに大学本院以外のDPC病院では,特定病院群(Ⅱ群)に入るか標準病院群(Ⅲ群)に入るか,加えていかに基準をクリアして機能評価係数を重ねられるかが重要になってきている.7:1の医療・看護必要度の要件がどんどん厳しくなるのは,医療費抑制一筋の為政者や保険者の意向だが,現場からすれば個々の患者の真の必要度は,あんな基準で割り切れるほど単純ではない.
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