Japanese
English
症例報告
右下腿潰瘍を伴ったサルコイドーシスの1例
A case of sarcoidosis with right leg ulcer
江原 佳恵
1
,
西本 周平
1
,
畑 康樹
1
,
濱中 伸介
2
Yoshie EHARA
1
,
Shuhei NISHIMOTO
1
,
Yasuki HATA
1
,
Nobusuke HAMANAKA
2
1済生会横浜市東部病院皮膚科
2済生会横浜市東部病院呼吸器内科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Respiratory Medicine, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
下腿潰瘍
,
サルコイドーシス
,
潰瘍型皮膚サルコイド
Keyword:
下腿潰瘍
,
サルコイドーシス
,
潰瘍型皮膚サルコイド
pp.889-893
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205226
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要約 86歳,女性.当科初診1年半前より労作時呼吸困難があり,縦隔・肺門部リンパ節腫脹,末梢肺野結節影を認めた.アンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)とリゾチームは高値であった.縦隔リンパ節生検でサルコイドーシスと診断され,当院呼吸器内科で無治療経過観察中だった.当科初診2か月前より右下腿屈側に軽度の疼痛を伴う潰瘍を生じ,近医で抗潰瘍薬を外用したが難治なため当科を紹介され受診した.同部位に壊死組織を伴う比較的境界明瞭,虫食い状,小豆大の潰瘍を認めた.各種抗潰瘍薬を外用したが難治なため皮膚生検を施行した.潰瘍底の真皮浅層から中層の血管周囲に類上皮細胞,巨細胞を混じる肉芽腫があり,サルコイドーシスに伴う下腿潰瘍と診断した.ステロイド外用で改善に乏しく,ステロイド内服し,潰瘍は内服26週で上皮化した.皮膚サルコイドで潰瘍を生じるものは稀だが,難治性下腿潰瘍をみた際にはサルコイドーシスを鑑別に加える必要がある.
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