Japanese
English
症例報告
ステロイド内服とThiersch植皮術により改善した潰瘍型皮膚サルコイドの1例
A case of ulcerative sarcoidosis treated by oral steroid and Thiersch graft
黒田 ケイ
1
,
小野木 裕梨
1
,
渡邉 直樹
1
Kei KURODA
1
,
Yuri ONOGI
1
,
Naoki WATANABE
1
1公立陶生病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tosei General Hospital, Seto, Japan
キーワード:
潰瘍型皮膚サルコイド
,
サルコイドーシス
,
Thiersch植皮術
Keyword:
潰瘍型皮膚サルコイド
,
サルコイドーシス
,
Thiersch植皮術
pp.513-518
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207035
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要約 79歳,女性.両側肺門部リンパ節腫脹とぶどう膜炎がありサルコイドーシスとして当院通院中であった.12年前より右下腿に紅色局面が,10年前より顔面に小豆大の紅色結節が出現し,ともに病理組織学検査でサルコイドーシスと診断した.ステロイド外用で経過をみていたが3か月前より右下腿の局面上に虫食い状の潰瘍が出現した.潰瘍部の皮膚生検より潰瘍型皮膚サルコイドと診断した.ステロイド内服を開始し肉芽形成をはかり,Thiersch植皮術により上皮化した.現在はステロイド内服も終了し再発はみられていない.サルコイドーシスの皮膚病変に対しては原則的にステロイド外用が用いられるが,潰瘍型皮膚サルコイドは外用のみでは治癒に至らないことが多く,ステロイド内服を要することが多い.またThiersch植皮術は比較的簡便に行うことができ,サルコイドーシスに伴う皮膚潰瘍においても治療の選択肢になりうると考えた.
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