Japanese
English
症例報告
ジアフェニルスルホンにより見かけ上のHbA1c低値を呈した水疱性類天疱瘡
Interference of diaphenylsulfone in HbA1c monitoring of a diabetic patient with bullous pemphigoid
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
キーワード:
ジアフェニルスルホン
,
DDS
,
HbA1c
,
溶血
,
水疱性類天疱瘡
Keyword:
ジアフェニルスルホン
,
DDS
,
HbA1c
,
溶血
,
水疱性類天疱瘡
pp.894-898
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205227
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要約 80歳,女性.水疱性類天疱瘡に対してプレドニゾロン(PSL)とジアフェニルスルホン(DDS)を併用して治療した.入院経過中,ステロイド性糖尿病に対して血糖降下薬を投与し,退院後は近医で糖尿病治療を継続した.PSL 5mg/日,DDS 50mg/日を維持量として経過観察中に,近医での糖尿病治療が終了した.その後,DDSを中止したところ,HbA1cが突然高値を示した.経過中のHb値は正常範囲内であり,DDSによる不顕性溶血でHbA1cが見かけ上,低値を示していたと考えた.DDSの添付文書の副作用欄には溶血性貧血の記載はあるが,HbA1cの低下は記載されていない.また,DDSの保険適応疾患は皮膚科領域の疾患のみであるため,皮膚科医以外はDDSに馴染みがない.DDSを使用する機会の多い皮膚科医は十分に認識しておくとともに,糖尿病管理を依頼する内科医に啓発する必要があると考えた.
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