Japanese
English
症例報告
巨大な痛風結節の1例
A case of giant tophi
冲永 昌悟
1
,
田中 隆光
1
,
石川 武子
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
斉藤 光次
2
,
笹島 ゆう子
2
,
渡辺 晋一
1
Shogo OKINAGA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Koji SAITO
2
,
Yuko SASAJIMA
2
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部病理学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
痛風結節
,
高尿酸血症
,
足関節
,
薬物治療
,
腎機能障害
Keyword:
痛風結節
,
高尿酸血症
,
足関節
,
薬物治療
,
腎機能障害
pp.229-233
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205013
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要約 78歳,男性.約25年前に右外果腫瘤に気付いたが,自覚症状がないため放置していた.その後,腫瘤は徐々に増大し,10日前から疼痛が出現し,当科を受診した.右外果に潰瘍を伴う直径7cm大のドーム状に隆起した腫瘤があり,潰瘍内部には白色漆喰状の内容物を有していた.末梢血で尿酸値が8.7mg/dlと上昇し,痛風結節を疑い一部を生検した.組織では,HE染色(ホルマリン固定)で真皮に無定形物質が存在し,一部では針状の空隙が束状に集合していた.白色漆喰状物質のアルコール固定標本では,淡紅色調から褐色調の針状結晶を認め,デガランタ染色では黒色調に染色された.偏光顕微鏡下では,黄白色の光輝性結晶が観察された.痛風結節の診断で,結晶の可及的除去と,薬物治療を開始し,腫瘤の縮小がみられた.痛風結節は組織所見にて診断が確定でき,薬物治療による尿酸値のコントロールにて腫瘤が縮小していく場合がある.
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