Japanese
English
症例報告
食道病変を合併した粘膜優位型尋常性天疱瘡の1例
A case of mucosal-dominant pemphigus vulgaris with esophageal lesion
冲永 昌悟
1
,
福安 厚子
1
,
武岡 伸太郎
1
,
林 耕太郎
1
,
田中 隆光
1
,
石川 武子
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
岡田 典久
2
,
渡辺 晋一
1
Shogo OKINAGA
1
,
Atsuko FUKUYASU
1
,
Shintaro TAKEOKA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Norihisa OKADA
2
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部耳鼻科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Otolaryngology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
デスモグレイン
,
粘膜病変
,
食道病変
,
逆流性食道炎
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
デスモグレイン
,
粘膜病変
,
食道病変
,
逆流性食道炎
pp.211-214
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205009
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要約 20歳,男性.当科初診の約40日前に嚥下困難が出現し,当院内科で上部消化管内視鏡検査を施行した.食道にびらんがみられ,逆流性食道炎と診断され,ランソプラゾールを30日間投与されたが改善がなかった.7日前より舌から喉頭にびらん,潰瘍が出現した.当院耳鼻科でヘルペス感染症を疑われ,アシクロビルを7日間投与されたが改善せず,抗デスモグレイン3抗体が118U/mlと上昇していたため,当科を紹介受診した.舌から喉頭にかけて母指頭大までのびらん,潰瘍が散在し,軟口蓋びらん部の病理組織像で基底細胞が一層残存し,棘融解細胞を認めた.また,蛍光抗体直接法で,表皮細胞間へのIgG,C3の沈着を認め,粘膜優位型の尋常性天疱瘡と診断した.プレドニン70mg/日(1mg/kg)を開始し,約40日後には粘膜疹は上皮化し,抗デスモグレイン3抗体も30U/ml台まで改善した.粘膜優位型の尋常性天疱瘡では,食道病変が初発症状となることもあり,診断には注意が必要である.
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