Japanese
English
症例報告
ロサルタンカリウム(ニューロタン®)による扁平苔癬型薬疹の1例
A case of lichenoid drug eruption caused by losartan potassium
冲永 昌悟
1
,
田中 隆光
1
,
原藤 緑
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Shogo OKINAGA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Midori HARAFUJI
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
扁平苔癬型薬疹
,
ロサルタンカリウム
,
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
,
ARB
Keyword:
扁平苔癬型薬疹
,
ロサルタンカリウム
,
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
,
ARB
pp.669-674
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205177
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 63歳,男性.約10年前から高血圧症のため,アムロジピンベジル酸塩とロサルタンカリウムを内服していた.6か月前から体幹に自覚症状のない皮疹が出現し,徐々に拡大した.5か月前からステロイド外用したが改善しないため,当科を受診した.下腹部,両側腹部,腰背部,仙骨部に手掌大までの暗紫紅色調の紅斑が散在し,両側胸部から季肋部にかけて母指頭大までの浮腫性紅斑が30個程度みられた.組織像では,表皮突起が鋸歯状に延長し,真皮乳頭部にリンパ球主体の炎症細胞が帯状に浸潤し,基底層の空胞変性を認めた.扁平苔癬型薬疹の可能性を考え,ロサルタンカリウム内服を中止.約50日で皮疹は色素沈着となった.内服誘発試験を施行し,37日目に腰背部に新生紅斑が出現.組織像は初回生検時の組織像と類似し,ロサルタンカリウムにより誘発された扁平苔癬型薬疹と診断した.内服開始から約10年後に,発症する扁平苔癬型薬疹もあり注意が必要と考える.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.