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新しいアミノ配糖体系抗生物質sisomicin (SISO)が、細菌性外眼部感染症に対する汎用性抗生物質点眼剤の主薬としてどの程度の有用性があるかを予知するため,眼感染症研究会が推奨する方式にしたがって,前臨床試験を行った。
(1)0.3%SISO点眼液を1日9回5日間,家兎に点眼した。臨床的に眼に何らの異常もおこらず,点眼終了時に行った走査電子顕微鏡による角膜表層の検査においても異常は認められなかった。
(2)家兎角膜に,mucin添加法による緑膿菌の強力感染を行い,直後から0.3%SISO点眼液を1日9回2日間点眼した。緑膿菌性角膜炎の発症は完全に阻止された(食塩水点,眼による対照実験は陽性発症)。
(3)37例の患者の手術前無菌法として,0.3%SISO点眼液を1日5回20間点眼し,菌陰性化率は89.2%、有効係数(菌数減少率の逆数)は24.9であった。前者は70%以上,後者は10以上が合格と認定されている。
(4)0.3%SISO点眼液を,術前1日5回,2日間点眼して手術した103例(主として内眼手術)において術後感染は1例もおこらなかった。
(5)以上の結果から0.3%SISO点眼液は臨床治療試験に用いても安全であり,かつすぐれた汎用性抗生物質点眼液になりうる可能性が示唆され,また手術前無菌法や術後感染(緑膿菌を含め)の阻止に優れた効果を示すことが推定された。
Sisomicin (SISO) is a new aminoglycoside anti-biotic having a wide antibacterial spectrum. Pre-clinical studies on the 0.3% SISO eye drops were carried out as follows before starting clinical trials in external infections of the eye.
( 1 ) Harmful effect on the rabbit eye to test the safety : SISO eye drops and saline were instil-led into the right and left eye of 4 rabbits, respec-tively, 9 times a day for 5 days. No clinical changes were observed in all eyes by slitlamp examination. Scanning electron microscopy of the corneas ex-hibited no particular changes of the epithelial surface cells.
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