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市販の0.3%ゲンタマイシン点眼液(GM)を対照として,0.3%シソマイシン点眼液(SISO)の有効性,安全性および有用性を,多施設二重盲検法によって比較研究した。
細菌性外眼部感染症348例に1日4回,1回2滴点眼することを原則として使用した。除外例,脱落例を除き,SISO群128例,GM群137例が解析対象例となった。両群の背景因子の同質性保証をたしかめた後,両群の臨床効果,安全性および有用性を眼感染症研究会制定の判定基準によって比較して,つぎの結果が得られた。
(1) SISOは著効率64.84%,有効率96,88%,GMは著効率59,85%,有効率92.70%で,臨床効果に差はなく,眼感染症研究会制定の評価基準では,共に汎用性抗生物質点眼液として優にランクされた。しかしSISOの方がGMより多少「切れ味」がよいのではないかという可能性が示唆された。
(2)副作用の発現率は両薬剤間に推計学的に有意差はなく,また重篤な副作用も発生しなかった。しかし眼感染症研究会の評価基準を適用すると,従来GMの欠点とされていた刺激性が,SISOでは使用者がその差に気づく位軽微である可能性が推定された。
(3)特定疾患はSISOは前回の二重盲検法を含め19例,GMは31例あり,共に著効率50%以上,有効率95%以上であって,全症例の結果と矛盾しなかった。
The efficacy of 0.3% Sisomicin ophthalmic solu-tion (SISO) in the treatment of external infections of the eye due to bacteria was evaluated by a multi-institutional randomized double blind study with 0.3% Gentamicin solution (GM) as the control.
SISO was given to 128 cases and GM to 137 cases excluding cases out of protocol. SISO showed excellent effect in 83 of the 128 cases (64.8%). Cumulative effective rate was 96.9%. GM was ex-cellent in 82 of the 137 cases (59.9%) with cumula-tive effect in 92.7% of the cases. The difference of these rates were not significant.
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