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連載 眼の遺伝病58
Rep-1遺伝子異常による網膜変性―402delT変異とコロイデレミア
Retinal dystrophy with Rep-1gene mutation
板橋 俊隆
1
,
和田 裕子
1
,
菊地 未来
1
,
玉井 信
1
Toshitaka Itabashi
1
,
Yuko Wada
1
,
Miki Kikuchi
1
,
Makoto Tamai
1
1東北大学医学部眼科学教室
pp.892-895
発行日 2004年6月15日
Published Date 2004/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100589
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1990年,コロイデレミアの原因遺伝子であるRab escort protein-1(Rep-1)の一部が単離され,1994年にその全構造が明かになった1,2)。Rep-1はXq21に存在し,15個のエキソンで構成され,653個のアミノ酸をコードする。Rep-1は網膜色素上皮で豊富に発現するほかに,網膜,脈絡膜,脳,肝臓,筋,リンパ球などの諸臓器でも発現する3~5)。
REP-1は,細胞内の小胞輸送にかかわる低分子量guanosine 5'-triphosphate(GTP)結合蛋白質の一種であるRabの補助蛋白質である。REP-1の結合したRab蛋白はゲラニルゲラニル化される。そこで疎水性を獲得したRab蛋白は輸送小胞を形成して,細胞内での代謝産物輸送に関与する。
今回筆者らは,コロイデレミアの1家系患者3例,保因者1例にRep-1遺伝子402delT変異を確認したので,臨床像と合わせて報告する6)。
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