Japanese
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連載 眼の遺伝病72
PRPF31遺伝子異常と網膜変性(2)
Autosomal dominant retinal degeneration with PRPF31gene mutation(2)
佐藤 肇
1
,
中村 誠
2
,
和田 裕子
1
Hajime Sato
1
,
Makoto Nakamura
2
,
Yuko Wada
1
1東北大学医学部眼科学教室
2名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学眼科学教室
pp.1236-1238
発行日 2005年8月15日
Published Date 2005/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100088
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今回は,PRPF31遺伝子に1155-1159delGGACG/insAGGGATT変異を認めた家系を報告する。夜盲などの自覚症状のない無症候性キャリアと考えられる症例(図1,Ⅱ-2)は,高齢のために眼科諸検査を施行できなかった。
症 例
[症例1(図1,Ⅳ-2)]
患者:27歳,女性
主訴:夜盲
家族歴:兄,父,叔父が網膜色素変性(図1)。
現病歴:7歳頃から網膜色素変性を指摘されていた。10歳の初診時視力は右1.2,左0.9であった。両眼底には網膜色素上皮の軽度な変化が認められた。ゴールドマン動的量的視野検査では,Ⅴ-4のイソプターで狭窄はなく,Ⅰ-4のイソプターで中心約10°と狭窄しており,暗点は認められなかった。Bright flash ERGで,両眼ともにnon-recordableであった。14歳時の蛍光眼底検査では,網膜色素上皮萎縮による顆粒状の過蛍光を認めた(図2a)。20歳時のゴールドマン動的量的視野検査では,輪状暗点を認めた。
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