Japanese
English
臨床報告
きわめて短期間に肝転移から肝不全を呈した乳癌の1例
A case of breast cancer that caused acute liver failure due to liver metastases in a very short term
平出 貴乗
1
,
谷口 正美
2
,
住吉 健一
2
,
丸尾 啓敏
1
,
小路 毅
1
,
米川 甫
1
Takanori HIRAIDE
1
1静岡市立清水病院外科
2静岡市立清水病院乳腺外科
キーワード:
乳癌
,
転移性肝癌
,
急性肝不全
Keyword:
乳癌
,
転移性肝癌
,
急性肝不全
pp.1261-1266
発行日 2011年9月20日
Published Date 2011/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103729
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要旨
患者は59歳,女性.左乳房の痛みを主訴に2008年12月に来院した.左の乳房全体に著明な発赤と浮腫を認め,炎症性乳癌と診断した.術前化学療法を施行したが効果判定はSDであり,局所コントロールを目的として乳房切除術を予定した.術前検査で行った採血では肝胆道系酵素の上昇を認めたものの,画像検査では明らかな異常所見は認められなかった.3週間後の採血ではビリルビンの著明な上昇,CT検査ではびまん性の肝転移,腹水の貯留を認めた.すでに肝不全の状態であり,初診から10か月間という短期間で永眠した.死後に行った肝臓の針生検の結果,肝組織の大部分は腫瘍に置換されている状態であった.
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