増大号特集 正しく指示する食事指導・食事療法
19.急性肝不全
佐藤 琢郎
1
,
須磨崎 亮
2
1茨城県立こども病院小児総合診療科
2同院病院長
キーワード:
急性肝不全
,
肝性脳症
,
異化亢進
,
Fisher 比
,
肝再生
Keyword:
急性肝不全
,
肝性脳症
,
異化亢進
,
Fisher 比
,
肝再生
pp.1523-1529
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000234
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急性肝不全は発症8 週以内に広範な肝細胞の変性・壊死を起こし,しばしば多臓器不全を伴う予後不良の症候群である.肝臓はさまざまな栄養代謝の中心臓器であり,肝不全では栄養障害は必発である.消費エネルギーの増加,糖利用の低下と体タンパクの異化亢進,血漿アミノ酸の増加とFischer 比の低下が特徴的な栄養代謝障害である.血糖,尿素窒素,アンモニア,血漿遊離アミノ酸等で栄養病態を評価する.病初期にはグルコースを中心に静脈栄養を行い,栄養素の過剰投与を避ける.回復期には肝細胞の再生を目指して,積極的に経腸栄養を開始し,繰り返し栄養評価を行いながら,きめ細かく栄養管理を変更する.原因疾患に応じた栄養学的配慮が必要な場合もある.
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