Japanese
English
臨床報告
イレウスを契機に小腸内視鏡で術前診断された原発性空腸癌の1切除例
A case of primary jejunal cancer presenting as bowel obstruction and diagnosed using preoperative small intestinal endoscopy:report of a resected case
田村 公二
1
,
松成 康生
1
,
諸隈 強
2
,
大橋 生嗣
1
,
成富 元
1
,
松原 不二夫
2,3
Koji TAMURA
1
1新小倉病院外科
2新小倉病院内科
3新小倉病院病理科
キーワード:
原発性空腸癌
,
小腸腫瘍
,
ダブルバルーン小腸内視鏡
,
イレウス
Keyword:
原発性空腸癌
,
小腸腫瘍
,
ダブルバルーン小腸内視鏡
,
イレウス
pp.1256-1260
発行日 2011年9月20日
Published Date 2011/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103728
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要旨
患者は63歳の女性で,イレウスの診断で入院した.腹部CT検査で上部空腸に腫瘍性病変が疑われ,小腸造影およびダブルバルーン小腸内視鏡検査でトライツ靱帯を越えてすぐの空腸に亜全周性の隆起性病変を認めた.生検の結果は高~中分化型腺癌であった.原発性空腸癌の診断で開腹手術を施行し,術後は再発なく経過している.小腸悪性腫瘍は全消化管腫瘍の0.3~1%と頻度が低く,ほかの消化管腫瘍に比べて症状の発現が遅いため,進行例で診断されることが少なくない.腹部手術歴のない上部消化管での腸閉塞患者では,小腸腫瘍も念頭に入れたうえで小腸造影検査や小腸内視鏡検査を施行することで早期診断・手術が可能となり,生命予後の改善につながると考えられた.
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