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あとがき
炭山 嘉伸
pp.1464
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101879
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このところ,連日のごとく地方自治体病院の医師不足が問題となっている.また,日本の医療はどうなっていくのかが学会においても大きく取り上げられている.日本外科学会・日本消化器外科学会でも,すでに特別シンポジウムとして話題になった.2007年11月の日本臨床外科学会でも,特別企画としてこの問題が取り上げられる.
2004年に新しい臨床研修制度が発足し,これが義務づけられた.国は十分な補助金を出し,適正な給与を保証するとして卒後研修の理想像を掲げてスタートした.しかし,現実にはこの数年間の経過のなかでさまざまな問題が生じている.そもそも研修医のアルバイトを禁止していることから,学生たちは給与の低い大学病院を敬遠し,大学の研修医不足が生じた.大学は労働力としての研修医を確保するため,関連病院から医師を引き上げさせた.そのため,地方自治体病院は医師不足から閉鎖に追いやられているところも多い.国は十分な補助金を保証するとしていたが,十分な財源の確保はできておらず,研修医に対する補助金は最初の理想とはほど遠い.そのため,研修医を預かる各病院の人件費負担は増すばかりである.
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