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あとがき
阿部 理一郎
pp.796
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207405
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若い医師の仕事へのモチベーションが下がっているとしばしば耳にします.以前に比べてエフォートのかけ方が仕事がメインではなく,家族やプライベートなことに割かれ,つまり価値観の多様性からそうなっていると言われています.もちろんそれ自体は良いことで,仕事が充実するためにはプライベートが充実していないといびつになって持続できなくなりますし,逆もしかりです.ですが,だからと言って仕事への取り組みがおろそかになっていいわけではありません.精神論だけではしょうがないですし,近頃の若い者は,みたいな紀元前から言われている愚痴を言い続けているだけのようにも思います.
一方,それを助長しているのが働き方改革で,紋切り的に仕事場にいる時間を制限していることも若い人の気持ちを削いでいるように見えます.上司から言われたら仕事,のような詭弁に基づくこの働き方改革は,日本的な‘同調圧力’そのものです.
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