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最近は国内,国際学会の数も増え,以前は年末年始などは学会開催はなかったが,今では時期にお構いもなく開催される.11月の初旬にローマで国際センチネルリンパ節学会が開催されたが,何と会長は94歳,乳腺外科医と同時に元イタリア厚生大臣のB教授であった.前回は2年前に私が会長として横浜で開催したが,気合を入れて準備をしたわれわれの学会に比べて,今回の学会は規模や内容をとってみても多少愕然とした面もあった.理事会で次々回の会長として指名を受けたが,自分はすでに一度やっているし年齢的にも問題があるのでとお断りしたところ,前回会長で本会の大御所, 76歳のM教授に,「何を言っている.B教授を見てみなさい.あなたはつぎの人生の始まりの年齢だ」と一蹴されてしまった.2人の大御所がいる間は,この学会では私は永久に子ども扱いなのかと感じさせられた.また,イタリアの教授連がいとも簡単に学会をキャンセルすることにも驚かされた.
さて,11月下旬には国際消化器外科学会が開催された.開催前日になってもプログラムの変更がE-mailで送信されてきて,几帳面な日本人はてんやわんやである.案の定,前日の理事会では開会式のプログラムも明らかではなく,すべてがfuzzyである.会長招宴の場所も明らかでなく,分かったのは集合時間のみで,指定の場所に行ってみたらバスも来ていない.学会の会長招宴で初めてPresidentとSecretary Generalの区別が分かる始末で,いつも理事会に出ていたのはSecretary Generalであったことが判明した.名前がBassoとBasoliniと似ていたことが混乱の理由であったのかもしれない.しかし,これらの様々なミステイクにめげることもなく,笑顔で明るくもてなし続けるイタリア人のスタッフ.これも国民性の違いか.
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