--------------------
編集後記
S. I.
pp.362
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102709
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
4月になり後期研修医が各地の研修施設で活動を開始した。専門医の資格獲得を目指し,教えるほうも教えられるほうもはりきって診療にいそしんでおられることだろう。また4月からは診療報酬改定と精神保健福祉法の一部改正により精神科診療が新たな局面を迎えている。精神神経学会はかねてから保護者制度の廃止と医療保護入院の見直しについて警鐘を鳴らしてきた。また向精神薬の多剤併用処方による「通院・在宅精神療法等」の減算についても一貫して反対してきた。指導医はどのような立場をとるにしろ,若い医師への責任ある指導が求められている。
今月も原著論文はじめ多彩な臨床論文を掲載することができた。中でも抗うつ薬関連の興味深い報告が目立った。うつ状態や気分変調を呈する患者の診療では,どのような病態なのか,どのタイプのうつ病なのか,関連する疾患は重要か,使用すべき抗うつ薬はなにか,SSRIかSNRIかNaSSAか…といった臨床課題に常に直面している。丸山惣一郎先生,松木武敏先生,伊藤陽先生の論文は,エビデンスのレベルでは違いがあるが,いずれも示唆に富んだ研究である。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.