--------------------
編集後記
S. I.
pp.1090
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205496
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
DSMの功罪が言われてから久しく,その影響を受けて精神科医になった世代は確実に増えている。彼らの診察を見ていると,症状の抽出に熱心だが病歴(ストーリー)には症状ほどの力点を置かないという特徴がある。もちろん観察範囲は乏しいので一般化はできないが,診断基準をストレートに診察に当てはめると起こりそうな事柄である。結果,精神科診察が内科診察に近いものになっている。もちろん面接時間は内科よりもはるかに長いが構造は類似している。そこにはOSCEなど卒前教育の影響もあるかもしれない。
ではそれが悪いかと言うと,一概にそうとも言えないと感じることがある。患者や家族がそのような面接に違和感を覚えていないようにみえるのである。考えてみればそれは当然で,初めて精神科を受診する人にとって精神科診察が内科のそれに近ければ不安は少ないのかもしれない。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.