呼と循ゼミナール
経気道療法の臨床生理(10)—総まとめ
後藤 幸生
1
1名古屋市立大学麻酔科
pp.462
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203558
- 有料閲覧
- 文献概要
経気道的に行う呼吸管理にいくつかのものがあるが,本シリーズはその際考慮しておくべき基本的事項をとりあげてみた。日常臨床で,経気道的療法を要する場合は一般に病的状態に対するものであるが,手術時に行う経気道的呼吸管理は,正常な気道に対して行っているのである。この場合は気道の正常環境を破壊しないように心掛けるのは当然として,やや非生理的環境下で,多少異常状態となったものにはそれ相当の後始末が必要で,一日も早く元の正常状態に復帰せしめるための経気道的療法が施行される。一方病的状態に対しては気道のcleaningを含めた積極的な経気道療法がなされるわけである。いずれにせよ,先ず正常な気道環境とは何かを最初にとりあげ,気道には適当な湿度と温度が保たれているべきことを述べた。次いで加湿あるいは給湿という経気道療法が単に気道のみならず全身的に水バランス,熱バランスの面で影響を及ぼすものであることを指摘し,理論的な数字をあげて説明した。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.