呼と循ゼミナール
経気道療法の臨床生理(1)—気道の環境生理
後藤 幸生
1
1名古屋市立大学麻酔科
pp.838
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203409
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正常な生体は自然呼吸に際して,外気の温度,湿度のいかんを問わず,体内に入った吸入気を体温に近い温度に変化させ,また気管下部に達するまでに,ほぼ100%飽和状態の湿度にまで調節してしまう。このair condition—ingの役割を果すのが鼻,咽頭,喉頭の粘膜層でいわば非常に効率のよい熱湿交換器ということになる。
ところで,もし生体が鼻を通さず口呼吸をしている場合には気管上部における温度,湿度は外気温に近くなりすでに異常状態を生体に強いることになってくるが,気管切開をしたり,気管内挿管をして鼻,咽喉頭をバイパスして呼吸管理を行う場合にはさらに無理を強いることになることは,既に多くの報告にみられるごとくである。
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