呼と循ゼミナール
経気道療法の臨床生理(9)—持続陽圧呼吸法
後藤 幸生
1
1名古屋市立大学麻酔科
pp.419
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203555
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低酸素症の改善のため酸素投与が行われるが,これは酸素運搬過程の上ではたんに吸気酸素濃度F1O2を上昇させるだけのものである。そして酸素吸入のみでは,PaO2が上昇しない場合には,更に気道に何らかの圧を負荷することによってPaO2を上昇させることができる。このうち外気圧PBを高めて吸入酸素濃度F1O2を上げPAO2,PaO2を著るしく上昇させて,血漿に溶解する酸素濃度を高めるものが高圧酸素療法(OHP)であるが,装置,取扱いに難点がある。これに対し直接気道に吸気時だけの陽圧を加え,肺胞換気量を是正してPAO2を上昇させるのが間歇的陽圧呼吸(IPPV)で,これは簡便な経気道療法の一つとして1960年代前半までは最良の方法とされていた。
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