呼と循ゼミナール
経気道療法の臨床生理(7)—気道洗浄療法
後藤 幸生
1
1名古屋市立大学麻酔科
pp.140
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203515
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気管支肺洗浄法Bronchopulmonary lavageは直接的な気道クリーニングを目的とするもので,これはもはや薬物療法,吸入療法などではその目的を果しえない状態に対して行う。経気道療法の中でも最もseriousなものということができる。これは気管支喘息など病態いかんではその適応となりうるし,気管支鏡,気管支ファイバースコープによる気管支洗浄bronchial lavageも合まれるが,肺胞蛋白症に対して大量の洗浄液を気道に出し人れするいわゆるmassive bronchopulmonary lavageは生体に及ぼす影響も著しいものと考えられる。近年,麻酔および術中管理法の著しい進歩にともなって本法が安全に,しかもroutineに行いうることは最近の多くの報告により技術的には既に確立されたといえよう。しかし,その生理的影響の研究は,症例も少ないこともあって必ずしも満足できるものではない。
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