Japanese
English
綜説
人工弁の機能評価(I)
Evaluation of prosthetic valve function
小松 行雄
1
Yukio Komatsu
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所
1Heart Institute Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.825-837
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203408
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1960年のHarkenら1)のball弁による大動脈弁置換の成功,1961年のStarrら2)の僧帽弁置換の成功から10余年の今日,人工弁は弁膜症の欠かすことのできない治療法として認められ,受け入れられてきている。人工弁置換患者も,近年,年々急速に増加の傾向にある。我が国の人工弁の歴史は昭和35年に始まるが,昭和39年以降急速に人工弁置換手術数が増加している。和田の集計3)によると,昭和38年までは年間20例以下であった人工弁置換術が,昭和39年には110例に急増し,昭和50年には895例に達している。現在では年間1,000例を越える手術が行われ,これまでの人工弁置換患者総数は約8,000例に及ぶものと推定される。人工弁の治療成績は近年一段と向上してきてはいるが,人工弁の合併症,とりわけ機能不全の問題は,人工弁の歴史が変遷しても,絶えず解決されない問題としてつきまとっており,その報告も数多い。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.