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あとがき
相澤 久道
pp.940
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100859
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やっとのことで今月号の編集後記を書き終えた.晴れ晴れとした気持ちでタクシーに乗ったところ,愛想のよさそうな運転手で車内も禁煙,また少し小さな幸福感を感じる.「しかし何ですねお客さん.最近の世の中何かおかしいですね.」「そうだね.」と答える.それから,年金問題から始まり,介護問題と医療問題,たばこ問題,などなどよく勉強しているし,私が普段感じていることともあまり違わないので,時々相槌を打ちながら聞いている.「全ての元凶は小泉さんですね.あの人には愛情と倫理観が欠如していましたからね.」鋭い.私が常に感じていた不快感を見事に言い表している.「社会保険庁改革法案も大事ですが,JT解体法案が必要ですよね.」全く同感!ところが,このあたりからだんだん方向がおかしくなってきた.
「大体この車の中でも煙草吸うお客さんがいるんですよ.自分たちは,くさい,汚いだけじゃなく,周りの人間の健康にも危険だってこと,つまり3Kってこと判らないんですよね.禁煙のところで吸う奴なんか死刑にすべきですよね.そうでしょ!」「……!?.禁固刑くらいでいいんじゃないですか…….」話がだんだん激してくる.言うことはそれなりに理屈が通っているのだが,話に余裕が無くなってきている.それくらい怒っているのだとは思うけれど.乗った時とは正反対の嫌な気持ちでタクシーを降りた.
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