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あとがき
相澤 久道
pp.236
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101435
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今月号は「COPDの併存症・合併症」の特集を組んだ.COPDは本誌でも何度か取り上げている,それだけ重要な疾患である.何故重要かと言えば,言い尽くされた感はあるが,有病率・死亡率が高く今後も増加傾向が著しい,社会経済的な負荷が大きい,一方,治療により良くなり死亡率も下がる等々である.この十数年このようなことが強調されてきたにもかかわらず,相変わらず受療率は低いままである.何故か?一般市民・医療関係者ともに関心が低い,息切れなどに対する自覚の低さ,治らないという諦め,等々こちらも多くの議論がなされてきた.この他に,皆大きな声では言わないが,自分が好きでタバコを吸って病気になったのだから自業自得じゃないか,という考えもあるのではないか.
しかし,思い出していただきたい.40歳以上(30歳以上?)の人なら記憶があると思うが,「今日も元気だ,煙草がうまい!日本専売公社」,「煙草は○○町で買いましょう!○○町役場」という看板が至るところにあった.国策として国民に煙草を吸わせていた時代の犠牲者が今のCOPD患者である.
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