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あとがき
S
pp.149
発行日 1964年4月10日
Published Date 1964/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200256
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きびしい何カ月かだつた。数多くの関係誌が発刊されている中に,本誌「medicina」が新しく発足する意味について深更に及ぶ討議が重ねられた。今日,医療のおかれている立場は研究者にとつても臨床家にとつても,まことにきびしいものである。外来30人から40人を診なければならない医師の悩みは,十分な検討,良心的な臨床を行なうことのむずかしさと,細かく専門化されて研究が進められていく各分野の進歩をどのように吸収し,学んで行つたらよいかという悩みであつた。その多忙さの中で,第一線の臨床医が「雑誌」に何を期待しているのだろうか,アンケート,あるいは面談によつて,その声,その意見を聞くことに約1年の期間が費やされた。そして,「medicina」の編集宣言が創りあげられた。内科内部の各専門の統合と,他科に関連する医療全体の世話役ともいうべき内科医本来の使命を全うするための総合誌。この意図は第1号にはたしてどれだけ反映し得たであろうか。今は,読者の皆さまの批判を待つだけとなつた。編集部のおねがいに十分に答えてくださつた執筆者の方々,時間をさいて本誌に対する多くの意見をのべてくださつた方々に厚くおん礼申し上げる。
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