研究
工場給食における調理作業員の手指および調理器具の衛生管理
河野 欽次
1
,
高橋 泰二
1
1日本鋼管病院・健康管理部
pp.335-338
発行日 1970年6月15日
Published Date 1970/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204083
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はしがき
工場における生産性の向上,大幅な量産化の進む現在,工場給食における衛生管理も,食中毒などの被害の性質からみてきわめて重要である.特に機械化,流れ作業の進む工場においては,食中毒や消化器系伝染病の集団発生は,とかく,その規模が大きく,このために生産能率の低下,また大きくいえば,地域社会にある不安感,恐怖感をあたえることもある.このような工場給食において,直接たずさわる者として,栄養士,調理作業員などはそれぞれ自分の専門領域に重点をおいて給食を運営しているのが現状である.それゆえ,衛生的な給食のための知識の習得に,どれだけつとめているか,事故防止のための衛生態度をどれだけ身につけて実践しているかとなると,はなはだ疑問である.
そこで"栄養"による体力の増強,生産性の向上の目的達成以前に,食中毒予防すなわち給食における衛生管理の確立が強く望まれる.
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