綜説
調理とビタミン
元山 正
1
1国立公衆衛生院
pp.24-27
発行日 1957年10月15日
Published Date 1957/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201883
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ビタミンという言葉はもう子供でもよく知つているようになつたが,栄養素のビタミンとしてよりも栄養剤即ち薬品の形になつたビタミンの方が頭に入つてしまつたのではないだろうか。ビタミンが栄養素である以上食品からとるのが正して型であるべきで,薬品の使用は食品からとるビタミンの不足している部分を補うのが正しいのではないだろうか。
この食品にはどれだけのビタミンが含まれているだろうかという問題は殆んど終り,既に食品成分表に示されているが,ではその食品を調理した際には,ビタミンはどの程度こわれるのだろうかということがもう一つ問題となつて来る,ところが実際には調理法は数多くあり,又食品によつても取扱い方が違つて来るのであるから,簡単にこれを解決することは困難である。この問題については各研究者が多くの報告を出し,又現在でも行われつつあるので,段々と解決されて行くことと思うが,今回はその内の幾つかを紹介しておきたいと思う。
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