徹底分析シリーズ 吸入麻酔と静脈麻酔 どっちを選ぶ?
術中覚醒記憶の既往のある患者—そのときどうする,その判断基準のために
合谷木 徹
1
Toru GOYAGI
1
1東京医科大学 麻酔科学分野
pp.410-412
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320040410
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術前診察で,患者に全身麻酔歴があり,その麻酔で術中覚醒記憶があったことが判明した。その手術は他施設で行われており,詳細は不明であった。使用した麻酔薬もわからない。患者の話では,「手術中,“うまくいかない”といった誰かの声が聞こえたが,体も動かせず怖かったことを覚えている」という。「今回の手術は大丈夫でしょうか…」と,不安になっているようだ。
術中覚醒記憶の経験がある患者では,次回の手術での術中覚醒記憶の危険率は5倍増加するとの報告1)もあるので,十分な対策を取る必要がある。

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