症例ライブラリー 術中の低血圧
心疾患の既往がある患者の術中血圧低下
笹川 智貴
1
Tomoki SASAKAWA
1
1東京女子医科大学 麻酔科学分野
キーワード:
僧帽弁収縮期前方運動
,
SAM
,
局所麻酔薬中毒
,
房室接合部調律
Keyword:
僧帽弁収縮期前方運動
,
SAM
,
局所麻酔薬中毒
,
房室接合部調律
pp.934-937
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202662
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■症例1
65歳の女性。身長152cm,体重38kg。心筋梗塞の既往あり,経皮的冠動脈形成術(PCI)施行後。
2年前から膝関節の痛みを訴え,近所の整形外科医で経過観察されていた。手術適応となる関節変性の進行を認め,過去にPCIを施行した循環器内科を有する総合病院に転院,人工膝関節全置換術(TKA)が予定された。アスピリンとクロピドグレルを内服していたが, 1週間前から休薬している。また,ビソプロロールの内服を当日まで継続していた。術前検査での心電図では心拍数65bpmの1度房室ブロックを認め,II誘導,III誘導,aVf誘導で異常Q波を認めた。経胸壁心エコー検査(TTE)では下壁領域の軽度壁運動異常を認めたが,左室駆出率(EF)はSimpson法で52%であった。
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