快人快説
麻酔科の組織行動論 後編—麻酔科医に必要なリーダーシップ:誰もがリーダーになれるのか?
宮津 光範
1
Mitsunori MIYAZU
1
1あいち小児保健医療総合センター 麻酔科
pp.419-426
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320040419
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「次は君が麻酔科部長だと」言われた日
私は,500床の急性期病院で働く中堅麻酔科医である。麻酔科のメンバーはA部長,B副部長,後輩スタッフ2名と専攻医1名の総勢6名。来年度は新たな専攻医1名が加わることになっている。産婦人科医でもある病院長から,「当院でもそろそろ無痛分娩を始められないか」と言われたので,他施設への見学を考えていたある日,A部長が早期退職すると聞いた。ペイン外来を担当していたB副部長はすでに整形外科クリニックへの異動を決めていたため,突然,次の部長に指名されてしまった。これまでずっと手術麻酔だけをしてきた私にはA部長のようなカリスマ性もなければB副部長のような得意技もない。強いて言えば,後輩とも仲が良く,人間関係で苦労することがあまりないことぐらいである。はたして私に麻酔科部長が務まるのか。しかし,決まってしまったからには,できることから準備を始めよう。まずは麻酔科部長(リーダー)になるということはどういうことか,“リーダーシップ”というものをググってみた。
*この設定はフィクションです。

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