徹底分析シリーズ 術中覚醒記憶
術中覚醒記憶とは何か?
森本 康裕
1
,
吉川 智枝
1
Yasuhiro MORIMOTO
1
,
Chie YOSHIKAWA
1
1宇部興産中央病院 麻酔科
pp.1018-1021
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100784
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術中覚醒記憶を扱った映画や小説など,近年術中覚醒記憶に関する関心が高まっている。術中覚醒記憶とは,全身麻酔中の明らかな知覚の記憶,と定義することができる。その意味では,術中記憶と言うべきである。例えば,awake surgeryなどで,手術中,明らかに覚醒していても,術後に覚醒時の記憶がない,ということは十分ありうる。明らかな術中記憶の残存は,心的外傷後ストレス障害(PTSD)を起こす危険性がある。一方,明らかな記憶がなくても,潜在記憶には何らかの影響を与えている可能性もある。
本稿では,術中覚醒記憶とは何かというテーマに沿って,全身麻酔中の意識や記憶について考えてみたい。
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