Clinical Engineering 29巻9号 (2018年8月)

特集 臨床工学技士と災害対策─災害時の事業継続計画(BCP)をどう考える─

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2016年4月に最大震度7の熊本地震が発生した.本震直後には県内93施設中,27の施設がおもに水要因(断水,水質汚濁)のため透析不能となった.しかし,熊本県医療政策課などとの連携により優先的に給水が行われ,3日以上透析ができなかった患者は皆無であった.また,県内の3分の2の施設が日本透析医会災害時情報ネットワークへの書き込みをしたこと,ほとんどの施設で地震対策をしていたこと,地震直後より(公社)日本透析医会にバックアップしてもらったことなどが幸いし,約1週間でほぼすべての施設で通常の透析に戻ることができた.今後,災害が発生した場合には,被災状況などの情報共有と支援透析依頼のため,被災の有無に関係なく日本透析医会災害時情報ネットワークへ迅速に必ず書き込むこと,平時から受援計画や患者教育もしておくべきということを強調したい.

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避けることができない災いが襲ってくるのであれば,そこでの被害を最小限に抑え込む努力を全力でしなければならない.それは我々臨床工学技士の職域でも例外ではない.よってすべてを「自分ごと」として考えることが重要である.

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透析室における大規模災害の事前対策と発生時の対応などについて,平成28年熊本地震の経験とBCPの考え方に合わせて紹介する.

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熊本県は2016年4月に二度の大きな地震を経験した.本稿では,前震と本震時に臨床工学技士として経験した院内の安全確認や重症患者受け入れの対応,集中治療部での役割,職員への食料確保などを踏まえて,災害対策を考える.

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人工心肺の操作中に大地震に遭遇する可能性は否定できない.本稿では,もし実際に地震が起こった場合,どのように対応することが望ましいのかについて述べる.

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在宅での人工呼吸器使用に関しては,災害時も継続して安全に使用するための対策と支援の確立には至っていない.そこで,使用者の地域における保健所主導の個別支援計画作成が重要となる.本稿では,臨床工学技士が,生命維持管理装置の専門職として地域における災害対策の支援事業に取り組んだ例を報告する.

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近年,わが国においても植込み型補助人工心臓治療が普及し,年々症例数が増加している.現在は心臓移植までの橋渡し(bridge to transplantation)目的に適応が限定されているが,今後はdestination therapyへも適応拡大が計画されており,さらなる症例数の増加が予想される.しかし,患者管理にはきわめて専門的な知識が必要であり,地震などの自然災害,特に大規模災害の場合の患者管理は一般的対応では不十分となる.我々はこれまで,3例の植込み型補助人工心臓装着患者の災害対応を経験した.本稿では,その経験に基づき今後の災害対策と支援について述べる.

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昨今の医療現場では,臨床と工学の結び付きはきわめて強く,災害時においても臨床工学技士の役割は大きい.(公社)日本臨床工学技士会では,関連他団体と連携をとりながら組織的支援活動を円滑に行えるように体制を整えること,および臨床工学分野における災害事前対策を構築することを目的として活動し,有事に備える.

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病院内での事故や災害が発生した際,業務への影響を極力小さくし,また平常業務に戻るまでの時間を極力短くするためには,多面的な手段,対応策が求められる.本稿では,医療を継続可能にするために必要な病院電気設備に関する事業継続計画(BCP)の概要と具体的対策について述べる.

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災害時に,医療ガスの供給を途絶することなく治療行為を継続するためには,各設備の概要と緊急時における対応の留意点を踏まえた事業継続計画(BCP)の作成と,関係者への周知および定期的な訓練が肝要となる.

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日本DMAT*1をはじめとした国内で行われている災害医療の研修では,基本的な考え方として英国のMIMMS*2で提唱されているCSCATTTというキーワードから学ぶことが多い.CSCAとは,command & control(指揮と連携),safety(安全の確保),communication(情報伝達),assessment(評価)の頭文字を合わせた呼称で,医療の管理面を指し,医療を成り立たせるための基本的な考え方といわれている.TTTは,triage,treatment,transportの頭文字で,トリアージ,治療,搬送という医療の実践的なことを意味する.このキーワードのなかで,我々が普段から深くかかわっているのは,治療(treatment)であろう.

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大規模災害時の大前提として,被災直後から大部分の固定電話と携帯電話は通話が困難になる.さらに,携帯電話の基地局やケーブルなどを広範囲で失うと,通信網が復旧するまでにかなりの日数が必要となる.

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基本情報

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Clinical Engineering
29巻9号 (2018年8月)
電子版ISSN:2432-1265 印刷版ISSN:0916-460X 学研メディカル秀潤社

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