保健師ジャーナル 71巻2号 (2015年2月発行)

選択した文献の文献概要を表示する書誌情報をダウンロードする

すべて選択

特集　新たな段階を迎えた―歯科口腔保健

扉 71巻2号 , 2015年2月 , pp.99

PDF(271KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

歯科口腔保健の新たなニーズに応えるため，2011年に歯科口腔保健法が制定され，具体的な方針，目標，計画である「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」が示された。「健康日本21（第2次）」とも相補的な関係にある歯科口腔保健対策について，各地での取り組みと保健師の関わりについて紹介する。

地域住民の生活を支える歯科口腔保健の推進と今後の方向性三浦　宏子 71巻2号 , 2015年2月 , pp.100-104

PDF(1177KB)

有料閲覧

文献概要を表示

歯科口腔疾患の疾病構造の変化，生活習慣病との密接な関連，2011年の法律制定など，歯科口腔保健をめぐる状況は大きく変わっている。地域の健康寿命の延伸に向け新たな取り組みを推進する意義と，今後の施策の方向性，その中で保健師が果たす役割について述べていただく。

歯科保健推進条例の意義と保健師の役割石井　拓男 71巻2号 , 2015年2月 , pp.105-109

PDF(1219KB)

有料閲覧

文献概要を表示

日本では歯科医療に関する制度や体制整備は医療に比べかなり遅れた。1947年の保健所法改正の際に歯科保健が記載され，2011年に歯科保健固有の法律として初めて「歯科口腔保健法」が制定されるまでの歴史を振り返り，都道府県歯科保健条例の意義と保健師の役割について述べる。

在宅高齢者と障害者等の歯科医療・保健事業推進のために―保健師に必要な視点とは植田　耕一郎 71巻2号 , 2015年2月 , pp.110-115

PDF(1583KB)

有料閲覧

文献概要を表示

在宅で療養する高齢者や障害者において，口腔衛生と口腔機能管理は食生活維持と向上のターニングポイントとなる。保健師が予防の視点から在宅療養者の歯科口腔保健に関わるうえで理解しておきたいポイントについて解説していただく。

「新潟県歯科保健推進条例」にもとづく市町村計画の策定と住民と進める歯科保健―佐渡市での取り組みについて清田　義和 , 石井　恭子 71巻2号 , 2015年2月 , pp.116-121

PDF(1637KB)

有料閲覧

文献概要を表示

新潟県では2008年，全国初の「歯科保健推進条例」が制定され，県全体として歯科保健施策が充実した。県の支援を受けて歯科保健計画策定に取り組んだ佐渡市の例を紹介する。

木曽岬町におけるお口の健康づくり事業の推進―むし歯予防対策に取り組んだ10年間を振り返って佐藤　信恵 71巻2号 , 2015年2月 , pp.122-125

PDF(1187KB)

有料閲覧

文献概要を表示

乳幼児のむし歯が長く健康課題となっていた木曽岬町では，子どもだけでなく，その母親，老人クラブ，幼稚園，保育園，学校関係者，商工会などと連携して，「お口の健康づくり事業」に取り組んだ。これまでの経緯とその成果を報告する。

特定保健指導とタイアップした歯科保健指導でメタボと歯科疾患を予防―観音寺市の取り組み中野　泰良 71巻2号 , 2015年2月 , pp.126-131

PDF(1325KB)

有料閲覧

文献概要を表示

香川県では，県国保連合会や県の医療費分析・調査等において，歯科疾患を含む生活習慣病の予防が喫緊の課題となっていた。その対策として，観音寺市で特定保健指導と歯科保健指導をタイアップさせた体制を整え，指導を行ってきた経緯とその成果を紹介する。

PHOTO／Pick Up

住民主体の健康なまちづくりをめざして―玖珠町愛育健康づくり推進協議会の取り組み／自分たちの健康は自分たちでも守ろう―玖珠町愛育健康づくり推進協議会の取り組み江藤　幸徳 , 有吉　哲子 , 秋好　満重 , 尾台　真理子 , 神田　恭子 , 松木　里実 , 吉光　理恵 71巻2号 , 2015年2月 , pp.93-95,134-138

PDF(3186KB)

有料閲覧

文献概要を表示

玖珠町の概要

　玖珠町は，大分県北西部に位置し(図1)，総面積が286.4km²と広く，人口1万6681人，世帯数6791世帯，高齢化率31.7％，出生数111人(2014〔平成26〕年10月現在)の緑豊かな農林業の盛んな町です。

　口演童話作家であった日本のアンデルセンと呼ばれる久留島武彦先生の生誕の地であることから，子どもにやさしい童話の里づくりを基本理念としています。

大分県玖珠町は，住民組織の育成に力を入れ，それを健康なまちづくりへとつなげている。なかでも「愛育健康づくり推進協議会」は，行政と住民のパイプ役として健康づくりに大いに貢献してきた。健診の呼びかけなどによる住民への啓発や，協力団体と連携した健康づくりの取り組みについて紹介する。

調査報告

東日本大震災の被災地に派遣された保健師の心身の健康とメンタルヘルス対策に関する調査山田　晴美 , 山口　一郎 , 吉田　浩子 , 青木　清 71巻2号 , 2015年2月 , pp.140-147

PDF(1480KB)

有料閲覧

文献概要を表示

はじめに

　2011（平成23）年3月11日に発生した東日本大震災では，2012（平成24）年7月までに全国の自治体から累計約1万1000人の保健師が被災地に派遣された¹⁾。

　東日本大震災の被災者が被った害は甚大で，被災者を支援した者も「二次被災者」として心身の健康へ影響を受けたと推察される。

　筆者が，東日本大震災発生後から同年4月末までに被災地に派遣された山形県の保健師について調査した結果（N＝27）によると，派遣期間終了直後に，何らかの心身不調を感じた保健師は70％で，派遣中のストレスには，被災者との関わりに起因するつらさや労働環境が影響していた²⁾。しかし，派遣中の健康状態に関連した要因を探求するには，さらに対象者数を増やした調査が必要であった。

　そこで，今後に備え，保健師が災害時に心身の健康を保って被災者を援助し続けられるための具体的方策を検討することを目的に，東日本大震災の際，全国の保健所から被災地に派遣された保健師を対象とした調査を行った。

連載　ナカイタ発　保健師へのつぶやき・20

「安全・安心」の保障こそが「子どもの心のケア」中板　育美 71巻2号 , 2015年2月 , pp.149

PDF(928KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　東日本大震災から4年が経過しようとしています。避難生活が長期化する中，慢性的な疲労とともに被災者の心理的問題が生じやすい時期とも言われています。相対的には，インフラ回復の一方で，個々のケアの重要性が看過され，災害をなんとか乗り越えていける親子とそうでない親子の心身の状態の格差，「はさみ状格差（最初は小さな差でも，時間が経つとどんどん格差が大きくなっていくこと）」が広がることが危惧されます。

連載　［事例集］新しい健康日本21へのヒント・21

陸前高田市における東日本大震災からの復興未来図―ソーシャルキャピタル醸成の場としての未来図会議大橋　加奈 , 近藤　尚己 71巻2号 , 2015年2月 , pp.150-156

PDF(1725KB)

有料閲覧

文献概要を表示

はじめに

　陸前高田市は，2011（平成23）年3月11日に発生した東日本大震災において甚大な被害を受け，発災直後から国，自治体，NPO，各種団体などによる多くの支援をいただいた。そうした市内外の支援団体や関係機関と情報を共有・伝達する手段として，同年3月27日に第1回目の保健医療福祉包括ケア会議が開催された。その後も，「陸前高田市のために」という思いから現地に入ってくださった多くの支援団体や関係機関との連携を図っていく中で内容は変化しながらも，「保健医療福祉未来図会議」（以下，未来図会議）という名称で，ソーシャルキャピタルの醸成の場として継続している。

　ここでは未来図会議の活動を中心に，保健師や支援者の役割・活動の変化，および今後の課題・展望について，災害派遣保健師の立場から振り返る。

連載　保健師のための行政学入門・2

なぜ保健師の仕事には裁量権があるのか？吉岡　京子 71巻2号 , 2015年2月 , pp.158-162

PDF(1217KB)

有料閲覧

文献概要を表示

看護師と保健師の仕事の違いは何だろうか

裁量権という切り口

　「現場が好き」とか「住民さんと直に接していたい」という気持ちをもっている保健師は，少なくないのではないだろうか（大先輩の方には，「それこそが保健師の醍醐味よ」と言われそうである）。また，「管理職になると住民さんと会う機会が減るから」という理由で，昇進試験を受けない保健師もいると聞いたことがある。たしかに，行政の第一線機関である現場の保健センターや機関は保健師活動の本丸であり，そこに働く保健師は住民支援の中心的存在である。

　1人ひとりの住民の健康問題を支援する，いわゆる「個別支援」において，現場の保健師はかなりの裁量権をもっている。そのことを意識している保健師はもしかしたら少ないかもしれない。私はかつて消化器科病棟で看護師として勤務していたが，病棟での業務は当然ながら「医師の指示のもとに行う」ことが基本である。すべての入院患者のカルテには医師のオーダーが書いてあり，何か困った事態が発生するとそのオーダーに則って判断する。カルテに書かれていない，オーダー以外の選択肢は，基本的に選べないのである。看護師のご不興を買ってしまいそうだが，私自身は病棟看護師として働いていたときの個人的な感想として，裁量権はさほど大きくなかったと記憶している。

連載　見方を変えると“場”が変わる　事例検討会の進め方・2

事例検討会の進め方と検討のための工夫大木　幸子 71巻2号 , 2015年2月 , pp.164-170

PDF(1295KB)

有料閲覧

文献概要を表示

事例検討会のねらい

　今回は事例検討会の進め方をお伝えします。その前に，ここで扱う同職種での事例検討会のねらいを確認しておきましょう。

　事例検討会とは，事例理解を深め，適切な支援方法を探ることを目的に，複数のメンバーでもたれる検討会です。その中でも職場や同職種で集まって行う事例検討会において「事例理解を深め，適切な支援方法を探る」という目的が指す内容をもう少し詳しく見ると，以下のような項目が考えられます。

連載　ニュースウォーク・203

認知症者の声は施策に届くか―オレンジプラン見直す新戦略白井　正夫 71巻2号 , 2015年2月 , pp.172-173

PDF(855KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　師走選挙となった第47回衆議院議員選挙（12月14日投開票）が「連立政権の圧勝」と「戦後最低の投票率」を残して終わった。総務省発表の投票率（小選挙区）は52.66％。戦後最低だった2012（平成24）年の前回衆院選（59.32％）より6.66ポイントも下回ったから驚きだ。

　国会解散の必要性がわからない唐突選挙だった。新聞社の世論調査でも「衆院選の関心度」は低調で，当初から投票率が危惧されていた。その通りの戦後最低投票率の記録更新である。そして政治への無関心の広がりを憂える声が…。

連載　研究室からのメッセージ・120

滋賀県立大学人間看護学部人間看護学科公衆衛生看護領域飯降　聖子 , 植村　小夜子 , 小林　孝子 , 馬場　文 , 小島　亜未 , 川口　恭子 71巻2号 , 2015年2月 , pp.179

PDF(1003KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

History and Now

どのような機関なのでしょう？

　滋賀県立大学は，1995（平成7）年に開学し，「キャンパスは琵琶湖。テキストは人間」をモットーにして教育が進められてきました。人間看護学部は2003（平成15）年に短期大学部から昇格し，大学に加わりました。本学は現在，4学部，4研究科（人間看護学研究科含む）を擁し，学術分野にとらわれない学部・学科構成による教育研究を行っています。

　公衆衛生看護領域は，公衆衛生看護学と在宅看護学の教育を担当するため，6名の教員が配置されています。

--------------------

バックナンバー一覧 71巻2号 , 2015年2月 , pp.132

PDF(1077KB)

フリーアクセス

投稿規定 71巻2号 , 2015年2月 , pp.148

PDF(1115KB)

フリーアクセス

NEWS DIGEST 71巻2号 , 2015年2月 , pp.174-175

PDF(1838KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

保健・医療・福祉のこのひとつきの動き

延命措置中止の指針

家族へのケア盛り込む

　延命措置を望まないと思われる患者の意思を尊重するため，日本救急医学会など3学会は，治療の差し控え・中止の手続きを示した「終末期医療に関するガイドライン（指針）」を作った。

　家族との話し合いでは，悲しむ家族の心のケアを医療チームに促すなど，従来の各学会の指針や提言の内容を充実させた。

INFORMATION　学会・研究会・講演会などのお知らせ 71巻2号 , 2015年2月 , pp.176-177

PDF(999KB)

フリーアクセス

今月の3冊プラス1 71巻2号 , 2015年2月 , pp.178

PDF(1002KB)

フリーアクセス

次号予告・編集後記 71巻2号 , 2015年2月 , pp.180

PDF(1058KB)

フリーアクセス

基本情報

保健師ジャーナル
71巻2号
(2015年2月発行)

電子版ISSN：1882-1413 印刷版ISSN：1348-8333 医学書院

お気に入り登録(雑誌)
お気に入り登録(号)
最新号をみる

前身誌

保健婦雑誌

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング(
12月16日～12月22日
)

第1位分散配置の意味は，新しい課題に気づくこと―高齢者福祉行政の経験を中心に小宮山恵美保健師ジャーナル 67巻 10号 pp. 868-872 (2011年10月10日) 医学書院
第2位産業保健分野における関わり方と支援の実際村田陽子保健師ジャーナル 79巻 1号 pp. 42-48 (2023年2月10日) 医学書院
第3位連続変数の解析—ステューデントのt検定とマン・ホイットニーのU検定加藤丈夫保健師ジャーナル 75巻 7号 pp. 616-620 (2019年7月10日) 医学書院
第4位「ポピュレーションベースのアセスメントと分析」「健康増進・予防活動の実践」和泉比佐子,佐伯和子,冨山紀代美,井口理,吉村史子,竹中香名子保健師ジャーナル 80巻 6号 pp. 534-540 (2024年12月10日) 医学書院
第5位大人の発達障害とグレーゾーンの特徴および支援のポイント村上伸治保健師ジャーナル 79巻 1号 pp. 12-17 (2023年2月10日) 医学書院
第6位災害関連死を防ぐ避難所の環境整備　災害救助法の徹底活用と避難所TKB 岡本正保健師ジャーナル 80巻 5号 pp. 436-441 (2024年10月10日) 医学書院
第7位全国自治体で実施されている父親への育児支援の現状髙木悦子,小崎恭弘,阿川勇太,竹原健二保健師ジャーナル 78巻 4号 pp. 306-310 (2022年8月10日) 医学書院
第8位メタボリックシンドロームの保健指導—必要な病態理解とアセスメント野口緑保健師ジャーナル 80巻 6号 pp. 541-548 (2024年12月10日) 医学書院
第9位高血圧の保健指導—考え方と展開野口緑保健師ジャーナル 80巻 4号 pp. 338-345 (2024年8月10日) 医学書院
第10位聖路加国際大学大学院看護学研究科　公衆衛生看護学大森純子,小林真朝,浦口真奈美,河本秋子,根岸薫保健師ジャーナル 80巻 6号 pp. 550 (2024年12月10日) 医学書院

投稿規定

年間購読申込

保健師ジャーナル 71巻2号 (2015年2月発行)

特集 新たな段階を迎えた―歯科口腔保健

PHOTO／Pick Up

調査報告

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・20

連載 ［事例集］新しい健康日本21へのヒント・21

連載 保健師のための行政学入門・2

連載 見方を変えると“場”が変わる 事例検討会の進め方・2

連載 ニュースウォーク・203

連載 研究室からのメッセージ・120