助産雑誌 71巻3号 (2017年3月)

特集 産後ケアを成功に導くコツ

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小誌では,2013年10月号で初めての産後ケア特集を組みました。それから3年。

産後ケア事業はどのように進んでいるのでしょうか。

「子育て世代包括支援センター」の全国展開に向けた準備の状況を含めて,現状の整理と課題をまとめます。

最終的には全国どこでも質の高い産後ケアが受けられることを目指して,国,自治体,医療機関等が協力し事業を展開していますが,現在の各地での取り組みをご紹介いただき,反省点も含めて産後ケアをうまく軌道に乗せるためのコツを共有できればと思います。

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現在,日本では,高齢者保健・医療制度のシステムづくりから,子育て支援の制度確立へと方向転換する時期にきています。今後予定されている子育て世代包括支援センターの全国展開に向けた事業や,産後ケア事業のガイドラインづくりにも言及し,どのような視点で産後ケアシステムをつくることが必要か,解説していただきました。

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産前産後ケア推進協議会の一員として,さまざまな施設の産後ケアの実現に向けて伴走してきた筆者。そこで見えてきた,心から母子のことを想ってつくり上げる産後ケアの“成功へのヒント”をまとめていただきました。

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北海道助産師会では母親たちの声から産後ケアの必要性を感じていましたが,札幌市と委託契約を結ぶまでに2年半の月日がかかりました。その間,熱い思いだけでは行政は動かないこと,戦略が必要なことを学んだそうです。そのポイントをまとめていただきました。

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長い歴史をもつ鹿児島中央助産院および宿泊型産前産後ケアセンターでの産後ケアの実践について,鹿児島県や県助産師会の動きも含めて解説していただきました。母親が安心して育児に取り組めるよう,母子の個別性やペースに寄り添ったケアを重視しているとのことです。

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山梨県の年間出生数は6000人ほどですが,県の産前産後電話相談では年間1500件を超える相談が寄せられるそうです。山梨県および県内全市町村と,健康科学大学が協働ではじめた産前産後ケアセンターの活動内容を紹介していただきました。

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八千代病院では,「地域のニーズに応える」をモットーに,地域連携も含めた包括的な医療介護提供体制として,独自の「スーパーケアミックス」を展開しています。産後ケアの実際や今後の課題などを含めて,施設の事業内容をまとめていただきました。

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二本松病院では,退院後の母親を支援する目的と,産婦人科が閉鎖してからも再開を信じて待っていた助産師たちのモチベーションを保つ意味からも,産後ケアが開始されました。行政と病院が両輪となって,地域母子保健を充実させていく過程をまとめていただきました。

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つくばセントラル病院では,牛久市の委託事業として,産後ケアセンター「いろは」を開設しています。サービス開始に至るまでの経緯や,運営するなかでわかったこと,課題やこれからの展望についてまとめていただきました。

連載 私たちの仕事場・14

日本赤十字社医療センター
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 日本赤十字社医療センター(以下,当センター)は,東京都総合周産期母子医療センターとして,出生前後の母体・胎児や新生児に対する高度で専門的な医療を提供するだけでなく,母体救命対応周産期母子医療センター(スーパー総合周産期センター)として母体救命を実践すると同時に,「赤ちゃんにやさしい病院」(Baby Friendly Hospital:BFH)認定施設としての社会的役割も担っています。

 分娩の集約化という社会背景のなかで分娩件数は年間3000件を超え(2016年は3164件),ハイリスクからローリスクまで対応する施設として,学生の臨地実習,各種外部研修,現任教育に対応し,医師・助産師の教育機関として豊かな教育的土壌をもっています。現在,当センターの初産婦の平均年齢は34歳を超えており,さまざまな背景をもつ10〜50代の幅広い年代の方を対象としています。出産される方の約半数がハイリスクという現状もさることながら,産後のサポート不足を訴える方や,妊娠中や産後に精神的な介入を必要とする方も少なくありません。そこで,妊娠期から産褥期を見据えて早期から介入を実施し,対象者が安心して出産・育児に臨めるように取り組んでいます。

連載 宝物,教えてください・14

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 2015年に助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルⅢの認証をいただき,アドバンス助産師となりました。バッジと認証カードが私の宝物です。この「もの」よりも,ここに至る「プロセス」が宝物といってもいいかもしれません。日本助産師会はじめ関係団体とさまざまな議論を積み重ね,日本看護協会助産師職能委員会委員と,都道府県看護協会助産師職能委員会委員の総出で,オールジャパンの取り組みによってこの宝物を得ることができました。心から感謝しています。

 この宝物を得ることができたのは,チームの力でもあります。助産師職能委員会の事務局として,日本看護協会健康政策部助産師課メンバーのチーム力は群を抜いています。「すべての妊産婦と赤ちゃんに助産師のケアを」という目標に向かって一致団結し,事業を推進しています。

連載 ワタナベダイチ式! 両親学級のつくり方・9

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はじめに

 今回もまずは質問からです。

 「両親学級のファシリテーター」という場合の「ファシリテーター」を日本語に訳してください。

 自分なりの解釈で構いませんよ。いかがでしょうか。

 以前,ある大学の看護学部にゲスト講師として呼んでいただきました。多くが看護師志望で,そのほか,助産師や保健師を志望する学生も数人います。授業は,拙著『産後が始まった!』(KADOKAWA)が題材になっており,200人程度のクラスを8人ずつのグループ(約25グループ)に分けて,本書に出てくるさまざまな場面について,産後の現場で考えられる課題やそれへの対処法を発表する,という内容でした。

 私自身の学生時代の勉学姿勢を顧みて決して偉そうなことは言えませんが,この学生たちの発表が……驚くべき拙さ(失礼!)で,発表に対して講評するという役目をいただいた私としては,何とも難しいお仕事をいただいたものだと頭を抱えました。何しろ発表の内容を理解できたのが,3グループくらいしかなかったので……。

 他人に話を聞いてもらうこと,さらに興味をもってもらうということは,たいへんな努力が必要です。自分の本を取り上げてもらった私でさえコメントに困るくらいでしたから,生徒たちはお互いに,自分の発表以外の時間をとても退屈に過ごしたことと思われます。こうした退屈な場面を打開するのが,「ファシリテーション」の技術です。

 そこで今回は,両親学級におけるファシリテーションについて考えてみようと思います。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・24

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はじめに

 東京女子医科大学大学院(以下,本校)では,ウーマンズヘルスの視点に立った高度な実践力と,豊かな学識および人間性を備え,人々のQOLを高めるように社会を変革する能力を有する助産師を育成します。以下に,本校の助産に関する教育の一部をご紹介します。

連載 りれー随筆・387

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助産師になって,9年が経とうとしている。

 私は,それまで看護師として5年ほど働いていたが,今後の人生について考えた時に,助産師になってみたいという想いを形にしたいと強く思い,一念発起して受験をしたのだった。

 どうして,助産師になりかったのか。母子にかかわる仕事がしたかったのと,助産師の専門性に憧れたからだった。ちょっと漠然としていたが,30歳になる前の28歳という微妙な年齢が後押しをして受験に至った。

特別記事

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外国人に関する統計

 2015年12月現在の在留外国人数(中長期在留者および特別永住者)は223万2189人であった1)。前年の212万1831人と比較すると11万358人増えており,外国人人口は年々増加傾向にある。

 その内訳をまず国籍別にみると,中国66万5847人(29.8%),韓国45万7772人(20.5%),フィリピン22万9595人(10.3%)と,上位3か国で全体の半数以上の割合を占めている。また近年の傾向として,ベトナム(5万4775人),ネパール(14万6956人)からの人々も増えており,どちらの国籍においても35%程度が留学生という状況である。

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 「お産を扱う開業助産師が,日本にはもうわずかしかいないのよ。日本の産婆の歴史はもう風前の灯火なの」。私が2人の子のお産でお世話になった,滋賀県東近江市で開業する朝比奈順子助産師。健診中,朝比奈助産師のこの憂いの言葉を何度も耳にしていた。

 この危機感をより多くの人と共有し,今後の変革の道すじを探りたいと,2016年10月30日,同市で,「日本vsカナダvsニュージーランド お産と助産を語ろう会」が開催された。会場となった「ぐるりの家」は,市の財政支援を受け,地域のお母さんと子どもの集い場として,また,助産師による育児相談,お産準備教室「お産塾」など,周産・育児期にある両親に向けたさまざまな支援プログラムが行なわれている。当日は,県内外の助産師・教育者15名,県下の開業助産師の支援を受け,その存在のかけがえのなさを知る母親たち16名,計31名が参加し,熱気にあふれる会となった。

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出産ドゥーラと産後ドゥーラ

 2016年9月,日本で20名の「出産ドゥーラ」が誕生しました。

 最近日本でも「ドゥーラ」という言葉が知られるようになり,特に「産後ドゥーラ」は少しずつ社会に浸透しはじめていると聞いています。私の暮らす米国では,ドゥーラといえば産後だけでなく,産前から出産,そして産後に付き添う人というイメージが一般的です。

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助産雑誌
71巻3号 (2017年3月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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