助産雑誌 71巻2号 (2017年2月)

特集 院内助産の新しい形 クリニック・病院併設助産所の取り組み

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厚生労働省が院内助産所・助産師外来推進の方向性を打ち出し,シンポジウムを開催したのが2008年でした。

それ以降,大規模病院の開設は比較的進み,助産師による実践が積まれてきました。

本特集では,最近見かけるようになったクリニック内の院内助産あるいは併設助産所での取り組みにも注目し,病院併設の院内助産も含めて自施設を紹介していただきます。そして助産師の業務内容ややり甲斐,母子・助産師・施設にとってのメリットについて解説していただき,学生の実習場所としての可能性も探ります。

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厚生労働省が院内助産所・助産師外来を推進する方向性をはっきりと打ち出したのは,2008年。それ以降,大規模病院を中心に院内助産所や助産師外来が開設され,助産師の専門性を発揮する場が拡大されつつあります。これまでの流れと今後の展望について,厚生労働省医政局看護課と日本看護協会健康政策部助産師課にお話をうかがいました。

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古川産婦人科ではローリスクの分娩体制を「メディカルバースシステム」と命名し,スタッフ間の連携を図っています。これは院内助産がベースとなっているもので,東日本大震災はこの分娩体制で乗り切ることができました。

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マザリー産科婦人科医院では,医院オリジナルの新人助産師育成プログラムとCLoCMip®を併用し,助産外来・院内助産が担当できる助産師を育てています。地域で母子のために生涯活躍できる専門職を目指しています。

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助産師外来・院内助産院を1999年から開設している札幌マタニティ・ウイメンズホスピタル。当初の「完全担当助産師制」の反省をふまえ,「チーム担当助産師制」を導入したことで,助産師,妊婦双方の満足度が上がりました。

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常勤医師の負担を減らすために立ち上がった産院いしがせの森の院内助産システムですが,妊婦に主体性がみられるようになり,助産師も判断能力が向上し,責任感が高まってきたそうです。助産師の実践能力をさらに磨き,自ら考え行動し,チーム医療の一翼を担っている実際をまとめていただきました。

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かつて有床助産所の所長であった筆者に白羽の矢が立ち,高山クリニックでの助産外来・院内助産が始まりました。開業助産師の技と知恵がクリニックの助産師へ伝わると同時に,医師との協働ともなり,ひいては産婦の満足度にもつながっていきました。

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分娩休止,産婦人科病棟閉鎖という危機を乗り越え,地域の母子に支えられ院内助産院という形でお産を継続した生協きらり助産院。そして,再び訪れた危機をチャンスに替え,今度は院外助産院として運営できることになります。助産院らしさを大切にしつつ,収入面も意識しながら,事業を経営している様子をご報告いただきました。

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貴子ウィメンズクリニックの院内助産にあたっては,「低リスク分娩」の促進に力を入れています。妊娠期間中の指導・管理に重点を置き,リスクをなるべく減らすことで,助産師が扱える正常分娩に近づけることを目指します。

連載 私たちの仕事場・13

松田母子クリニック
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ハイリスクとローリスク,ケアの両立を目指して

 松田母子クリニック(以下,当院)は,埼玉県の南西部,東京のベッドタウンである所沢市にあります。ハイリスクには手厚いケアを,ローリスクにはより高い安全をという思いで,2011年4月に開院した19床のクリニックです。骨盤位外回転術,帝王切開後経腟分娩(VBAC),双胎児経腟分娩(DD双胎のみ),自己血貯血,無痛分娩といったニーズに応えています。濃厚赤血球と新鮮凍結血漿を常備し,分娩時の緊急輸血にも備えています。一方で,家族立ち会い分娩(帝王切開も夫は立ち会い可),フリースタイル分娩,早期母児接触などにも力を入れています。妊婦さんとご家族にとって,お産がかけがえのない記憶となるようにと願いながら働いています。

 ハイリスクとローリスクのケアを両立させるためには,設備はもちろんですが,スタッフ 1人ひとりの技術と人間性が大きく求められます。当院は子育て中のスタッフも多いのですが,看護職員全員が新生児蘇生法(NCPR)専門コースの資格を取得し,毎月勉強会を開催して自己研鑽に努めています。

連載 宝物,教えてください・13

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 1991年11月,わたしは学生時代最後の分娩介助となる「継続事例」Kさんの出産の待機をしていました。夜8時過ぎ,実習施設から「Kさんが入院した」という電話を受け,その数時間後Kさんは無事に男児を出産されました。

 それから18年。看護師を目指して大学に入学した“彼”に再会。ひと目見て,「あの時の彼だ」と言うわけにはいきませんでしたが,このような「再会」を経験できる職業を選択したことをとても嬉しく思いました。

連載 ワタナベダイチ式! 両親学級のつくり方・8

対象者と所要時間の設定 渡辺 大地
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はじめに

 以下の要求をすべて満たすような両親学級を,2時間のプログラムで構成してください。

【要求】

①家事育児にまったく関心のない父親をやる気にさせたい

②家事育児に関心の高い父親にも満足してもらいたい

③シングルマザーにも学びになるようなものがいい

④妊娠中の夫婦から,子どもが3歳くらいになる夫婦まで学んでほしい

⑤子ども同伴の参加者もいるので,できるだけ子どもを抱っこしながらできる(または,子どもも参加できる)ワークショップを入れてほしい

⑥祖父母同伴者がいる場合もあるので,それにも対応してほしい

 ——以上です。

 いかがでしょうか。すべてを満たすプログラムの組み立てはできましたか? もしクリアできそうな方がいたら,ぜひ私に教えてくださいね。こういう依頼をいただいて困っているものですから(笑)。

 ときどき,上のような無理難題を突き付けられてしまうことがあるんです。行政関係からの依頼が多いでしょうか。できるだけ多くの市民に受講してもらえるようにと,ターゲットがあまりにも広すぎて,逆に誰のためでもなくなってしまうパターンです。

 前回,「できるだけテーマを絞ったほうがいい」と書きましたが,対象者についても同じことが言えます。対象者は,できるだけ絞ったほうがいいです。

 そこで今回は,どうやって対象者を決めていくのか,を考えていくことにしましょう。

連載 りれー随筆・386

助産師10年目の思い 荒木関 由希
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私は,横浜市内の助産院で働く助産師です。助産院で働いていると,実習に来ている学生に,私の今までの経歴を話すことがよくあり,自然と自分の助産師になったきっかけなどを振り返ることがあります。もうすぐ助産師歴10年。その節目として,今までの経歴やそのときどきの思い,そして今の思いを残せるよい機会となりました。

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 最近,日本でフィンランドのネウボラが評判になっている。育児困難が叫ばれる日本で,妊娠期から育児期まで切れ目のない支援をするシステムであるとモデル視されたためである。しかし,ネウボラでは妊婦健診が主に保健師によって実施され,分娩だけは集約化された病院で助産師が実践している。このことは日本で理解されているだろうか。

 筆者は,2016年9月10日から20日まで,フィンランドの助産とネウボラの実情を知る機会を得たので報告する。

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【解説】

 兵庫県立大学地域ケア開発研究所(以下,当研究所)は,「社会のニーズに応え,地域の特性に合わせた看護ケアシステム等の構築・開発への研究を進めるとともに,その成果を広く社会に提案し,人々のいのちと暮らしをサポートすること」を目的として,2004年12月に日本初の看護学に関する実践研究拠点として開設された。その後,2007年5月に「災害と健康危機管理に関するWHO看護協力センター」として,日本政府とWHOとの間で認証がなされた。当初は地域ケア実践研究部門(まちの保健室)と広域ケア開発研究部門(災害看護と国際地域看護)の2部門からなっていたが,2015年7月1日に周産期ケア研究センター(以下,当研究センター)が加わり,3部門となって活動を続けている。

 周産期ケア研究センターは,兵庫県立尼崎総合医療センターと当研究所の連携のもとに運営されている。医療機関と教育・研究機関の2機関の連携のもとにこのようなセンターが運営されることは,日本はもとより世界的にも初の試みである。当研究センターの目的は,研究を通して科学的根拠をつくり出し,それらに基づき看護・助産ケア方法の開発を行なうこと,また質の高いケアを提供できる看護職等の育成を行なうことであり,これらを通して,安全・安心な妊娠・出産・育児を支援する看護モデルの構築・情報発信を行なおうとしている。

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助産雑誌
71巻2号 (2017年2月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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