助産雑誌 71巻4号 (2017年4月)

特集 周産期のメンタルヘルスのために助産師ができること,すべきこと

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近年,日本の産後うつの発生率は減少傾向にあるものの依然10%を超えており,周産期のメンタルヘルス対策を充実させることの重要性は言を俟ちません。

そうした状況のなか,臨床で日々妊産褥婦とかかわる助産師がメンタルヘルスケアに関して求められるものは,今後さらに大きくなっていくと思われます。

本特集では,まず,周産期のメンタルヘルスケアについての動向と助産師の役割,精神医学の基礎知識について解説していただきます。そのうえで,病院,クリニック,自治体の現場で実際に行なわれている活動について具体的に紹介していただき,容易ではないメンタルヘルスの問題に現場の助産師が取り組む際の一助になることを目指します。

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産後うつをはじめとする周産期のメンタルヘルスに関する社会的動向について解説していただくとともに,今後助産師はこの課題とどのように向き合い,母親にどうかかわっていけばいいのかについて,述べていただきました。

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周産期に特有な精神疾患である産後うつ病と産褥精神病について,疾患分類,臨床症状の特徴を中心に解説していただきました。このうち産後うつ病に関しては早期発見および介入が重要で,そのためには地域との連携を含めた多職種による対応が求められます。

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周産期のメンタルヘルス支援について,精神科リエゾン看護師の立場から,具体的な事例を挙げて解説していただきました。スティグマに目を向けること,認知的問題に対応すること,多職種で協働することの重要性を学びます。

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葛飾赤十字産院の場合,精神科がないため,他施設の精神科との密な連携が求められます。そのためにもスクリーニングシートを使うなどして,早期の把握・対応が大切になってきます。ひいてはそれが,いつでも妊婦を見守り,援助できる体制となるのです。

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精神科医として20年にわたり母子保健の臨床活動を行なっている筆者。多くは保健所・保健センターや家庭児童相談室から,産後に不調を抱える母親が紹介されてきます。地域でそのような母親を支える実践の内容と,配慮・ポイントをまとめていただきました。

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気になる妊婦に対しては,新宿区のように妊娠期から医療と自治体が連携することで,「2つの眼」での十分なアセスメントが可能になります。これにより,時間をかけて妊婦との信頼関係を築くことにもなり,個々に合わせた支援がしやすくなるのです。

連載 私たちの仕事場・15

まつしま病院
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 まつしま病院(以下,当院)の前身は,今から64年前の1953年に開設された7床の「川柴産婦人科診療所」でした。1991年に「まつしま産婦人科小児科病院」と名前を変え,2006年には,より快適な環境を提供できるよう病院を建て直し,名前も「まつしま病院」に変更して現在に至っています。

 当院の理念は「女性と子どもにやさしい病院づくりをめざす」です。女性と子どもの健康に役立つ医療を幅広く提供していきたいと考え,産婦人科・小児科だけでなく,心療内科・精神科も開設され,「からだ」だけではなく「心」の面でもサポートを行なっています。

連載 宝物,教えてください・15

よき仲間たち 徳永 瑞子
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 アフリカ友の会の活動を始めて25年目となりました。アフリカ友の会は,世界の最貧国と呼ばれている中央アフリカ共和国の首都バンギでHIV/エイズ患者さんの医療・自立支援および栄養失調児のケアを行なっている民間団体です。現地では20名のスタッフが活動し,国内では東京事務所,福岡,大阪,北海道(静内)に支援グループがあり,バザーやイベントを実施し現地の活動を支えています。東京では事務局員やボランティアが,年6回の会報を全国に発送しています。

連載 助産師スピリットを育てよう! 矢島助産院の実習調整会 助産院実習における学校との協働・1【新連載】

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連載をはじめるにあたって

 皆さんの病院,クリニック,助産所などでは,実習生を受け入れていますか? おそらく,多くの施設では実習生を迎えていると思いますので,以下のことをお尋ねします。

・学校の先生方とは,良好な関係をつくれていますか?

・実習において,指導者としての疑問・悩みなどを先生方と共有できていますか?

 実習を受け入れている施設なら,上記のようなことを一度は悩んだ経験があるかもしれません。私たち矢島助産院(以下,当助産院)の助産師も,指導方法,学生とのかかわり方などに悩みながら実習指導を行なってきました。

 そこで今月から始まる連載では,助産教育と臨床をつなぐ「実習調整会」について紹介します。連載を通して,当助産院の取り組みを皆さんと共有したいと思っています。連載が進むにつれ,上記の悩みが解決でき,助産教育と臨床の連携をより深めるための一助となれば幸いです。

連載 ワタナベダイチ式! 両親学級のつくり方・10

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はじめに

 私が両親学級の講師依頼を受ける時に必ず確認されるのが,受講者の人数です。

 「両親学級は,夫婦で何組まで対応可能でしょうか?」

 というように聞かれます。

 皆さんは,ご自身が両親学級講師をするとして,上のように聞かれたら何と答えますか。受講者数の目安を決めていますか?

 今回は,両親学級を運営するうえでの受講者数の設定をどうするか,一緒に考えていきたいと思います。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・25

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認証評価で学士課程初の「適合」

 千里金蘭大学(以下,本学)看護学部は2016(平成28)年3月に,一般財団法人日本助産評価機構が定める助産師教育課程の第三者評価の基準に適合していると認定されました。これは4年制大学(学士課程)における助産師教育課程では日本初となります。カリキュラム設計の工夫と教員の熱意で,学士課程でも質の高い助産師教育を目指していける一例としてご紹介します。

 本学は学校法人金蘭会学園によって設置された女子大学で,女子教育100年の歴史を有しています。1963(昭和38)年に短大となり,2003年に4年制大学として開学し,看護学部看護学科は2008(平成20)年に設置されました。現在は,生活科学部食物栄養学科,児童教育学科とともに,2学部3学科の編成で,女子のみの大学教育の場となっています。緑豊かな北摂に位置し,最寄りの北千里駅から大学までの坂道は秋になると街路樹が真っ赤に紅葉し,日本とは思えない光景が目を楽しませてくれます。

連載 りれー随筆・388

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私は兼業助産師だ。助産師であり,吹きガラス職人でもある。どちらも私にとってかけがえのない大好きな仕事であり,ライフワークである。

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 2016年12月,第61回日本新生児成育医学会・学術集会(大阪国際会議場,大会長:北島博之氏)が,世界最大のドゥーラ養成組織である国際北米ドゥーラ協会(Doulas of North America International)の設立者のお1人であるフィリス・クラウス氏を日本へ招き,招聘講演を開催しました。新生児科医が「赤ちゃんのケアを考えるなかで,産む母の心のなかに安心があることがもっとも重要である」という考えのもとに1)学会レベルで出産に注目したのは稀有なことといえます。

 そして同学会のご厚意で,12月5日に筑波大学の医学キャンパスでも同内容の公開講座「出産時の寄り添いと親子のきずな—ドゥーラの継続的・情緒的・全人的なケアがもたらす効果」が開催されました。平日夜の開催にもかかわらず60名近い参加があり,本学教員,学生,附属病院スタッフに加え,学外からの出席者が4割以上と,このトピック・講師への関心の高さがうかがわれました。ドゥーラという言葉を初めて聞いた参加者も多かったなか,氏のお話と通訳がとてもわかりやすかったという感想が多く寄せられました。

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緒言

 近年,WHOなどの国際援助機関は,妊産婦死亡率を減らすために,すべての女性が熟練分娩介助者(SBA:Skilled Birth Attendant)により施設で分娩する必要性を掲げている。SBAとは,WHOの定義によると,「(合併症のない)正常の妊娠,分娩,産褥期を管理するのに必要な技術,そして母親,新生児の合併症時に搬送できる技術に熟達し,経験があり,訓練を受けたヘルス・プロフェショナルとして認可された助産師,医師,看護師」である1)

 WHOは,途上国の各国政府にもこの政策を取り入れることを推奨し,伝統的産婆(TBA:Traditional Birth Attendant)の役割は,地域の女性にSBAによる施設分娩を勧めることであると述べている1)。TBAとは,WHOの定義によると,「専門的訓練を受けておらず,自身の出産や他のTBAの見習いを通して技術を修得し,地域で妊娠,分娩,産後の世話をしている人」である2)

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次号予告・編集後記

基本情報

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助産雑誌
71巻4号 (2017年4月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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