連載 ワタナベダイチ式! 両親学級のつくり方・9
両親学級のファシリテーター
渡辺 大地
1,2
1株式会社アイナロハ
2株式会社ままのわ産後パートナーズ
pp.236-241
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200724
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はじめに
今回もまずは質問からです。
「両親学級のファシリテーター」という場合の「ファシリテーター」を日本語に訳してください。
自分なりの解釈で構いませんよ。いかがでしょうか。
以前,ある大学の看護学部にゲスト講師として呼んでいただきました。多くが看護師志望で,そのほか,助産師や保健師を志望する学生も数人います。授業は,拙著『産後が始まった!』(KADOKAWA)が題材になっており,200人程度のクラスを8人ずつのグループ(約25グループ)に分けて,本書に出てくるさまざまな場面について,産後の現場で考えられる課題やそれへの対処法を発表する,という内容でした。
私自身の学生時代の勉学姿勢を顧みて決して偉そうなことは言えませんが,この学生たちの発表が……驚くべき拙さ(失礼!)で,発表に対して講評するという役目をいただいた私としては,何とも難しいお仕事をいただいたものだと頭を抱えました。何しろ発表の内容を理解できたのが,3グループくらいしかなかったので……。
他人に話を聞いてもらうこと,さらに興味をもってもらうということは,たいへんな努力が必要です。自分の本を取り上げてもらった私でさえコメントに困るくらいでしたから,生徒たちはお互いに,自分の発表以外の時間をとても退屈に過ごしたことと思われます。こうした退屈な場面を打開するのが,「ファシリテーション」の技術です。
そこで今回は,両親学級におけるファシリテーションについて考えてみようと思います。
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