JIM 10巻7号 (2000年7月)

特集 やってみて覚えよう救急医療

ACLSコースの紹介 青木 重憲
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Question & Answer

Q:二次救命処置の医療の質を向上させるためには?

 A:二次救命処置の標準化と教育が必要.

ATLSコースの紹介 箕輪 良行
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Question & Answer

Q:ATLSコースの意義は?

 A:単に重症外傷の治療ガイドラインであるにとどまらず,一般の医師が参加して知識,技能,態度を修得し,現場で実践することによってATLSが広がっていくことである.

その他の救急医療のコース 林 寛之
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Question & Answer

Q:北米の救急医療トレーニングコースに共通しているのは?

 A:楽しく学べ,適度な緊張があり,実際的で,明日の診療にすぐに役立つこと.

VF/VTの蘇生アルゴリズム 境田 康二
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Question & Answer

Q1:心肺停止患者をみたら,まず気管内挿管を行い,静脈路を確保するべきではないか?

 A:適切な一次救命処置,とくに気道確保が行われている場合,心電図上VFであればまず行うことは3ショック(200,300,360Jでの除細動)です.現在の救急救命士に許されている特定3行為の一つがVFに対する除細動です.ただし,除細動の後に心拍再開どころかasystoleとなってしまう場合もあるので注意が必要です.

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Question & Answer

Q:EMDと第Ⅲ度房室ブロックの違いは?

 A:第Ⅲ度房室ブロックという時は,脈を触知する場合にのみ診断します.脈が触れない場合は,心電図が第度Ⅲ房室ブロックであっても,EMDと診断します.

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Question & Answer

Q:心室静止の蘇生アルゴリズムのポイントは?

A:誘導を替えて心室細動を見逃さないこと,心室静止と心室細動では治療法がまったく違う!

重症外傷の初期評価 林 寛之
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Question & Answer

Q:リンゲル液を温めるにはどうしたらよいですか?

 A:電子レンジで約50秒加熱すると,39~42℃ぐらいになります.機種によって少々異なるので,各施設の電子レンジで加熱時間を確認してください.血液製剤や糖を含む輸液は加熱できないので注意してください.輸血の場合は,加温した生理食塩水を混ぜて投与します.

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Question & Answer

Q:外傷性ショックの原因は?

 A:出血性ショックが大部分.胸腔,腹腔,骨盤内の出血はないか,他に,緊張性気胸,心タンポナーデなどに注意する.

胸部外傷の評価と処置 箕輪 良行
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Question & Answer

Q:外傷後,左胸痛がみられ呼吸音が減弱していたら?

 A:頸静脈の怒張,皮下気腫,打診上濁音界を診察する.バイタルが悪化していたら,鎖骨中線第2肋間を穿刺する.緊張性気胸でないならばポータブル胸部X線撮影を評価する.

腹部外傷の初期治療 今 明秀
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Question & Answer

Q:腹部外傷のUSで観察する部位は?

 A:腹腔内出血と心タンポナーデの有無をUSで評価せよ.観察部位は心嚢とモリソン窩,脾周囲,骨盤の4カ所.

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Question & Answer

Q:頭部外傷で緊急手術の適応となる2つの病態は?

 A:頭蓋内圧充進を来す占拠性病変(例:急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫など),解放性頭蓋陥没骨折.

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 Q1 重症多発外傷で,出血性ショックを疑 い,十分な輸液(十輸血)で加療しても治らな い難治性ショックの場合は何を考慮すべきか 教えてください.

 A 難治性の多発外傷のショックでは以下の場合を考慮する必要があります.

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 症例:29歳,男性.夕方頃,突然,左前胸部痛が出現し,翌日になっても軽快しないため近医を受診したところ,肋間神経痛といわれた.鎮痛薬を処方され,症状はやや軽快したが,就眠時に左側臥位にて前胸部に「パチパチ」という音に気づき,心配になって翌日当科を受診した.やせ型で,血圧119/60mmHg,脈拍90回/分(整),体温36.1℃.胸部聴診上,左側臥位にて過剰心音と思われる異常音を聴取した.胸部X線写真を示す(図1).

総合外来

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 ◆いきなり,忙しい家族を召集して家族療法を行うことだけが家族へのアプローチではない.家族を視野に入れ,患者個人に簡単なアプローチを行うだけでも家族全体に影響が及ぶものである.

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 ◆結核病床を持たない一般病院である当院でも,全国的な結核患者の増加に比例して,結核と診断される患者が増加している.結核の院内感染の予防と患者の早期発見対策を進めるため,当院において結核と診断された患者のリスクアセスメントおよび診断へのプロセスを調査した.

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 【症例】父が脊髄小脳変性症で入院中の21歳の女性Aさんが,脊髄小脳変性症の遺伝子検査を受けたいと来院した.主治医から得た情報は,相談者の父親は遺伝子診断を受け遺伝性脊髄小脳変性症(常染色体優性遺伝)1型と診断され,現在寝たきり状態で,気管切開を受けている.Aさんと,兄,姉には父親の病気は遺伝性の疾患であるが,必ずしも子どもたちに遺伝しないと説明されている(50%の確率で遺伝するという表現はしていない).患者の子どもたち,とくにAさんは遺伝子検査を切望し,某大学に血液を送付することになったが,直前になって遺伝カウンセリング体制が整っていないとの理由で遺伝子検査を断られた.主治医は20代の未婚の女性に今後どう対応してよいのかに苦慮しているので,京大病院での遺伝カウンセリングを依頼したいとの内容であった.

研修医読本―臨床の秘伝・奥義を学ぶ・7

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教訓・鉄則

1)息切れ,呼吸困難にもかかわらず,胸部X線写真が正常なら肺塞栓症を疑うべきです.

2)肺塞栓症を疑う時は肺血流スキャン,肺動脈造影を行います.ショックを伴う重症例では,診断確定を待たずに治療を開始すべきです.

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 ◆突然発症の背部痛の場合,まず何らかの血管病変を考えたり,硬膜外の病変を疑ってみることが必要である.

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病院における総合診療部門の誕生

 青木 最初に,わが国の総合診療部門誕生までの流れを簡単にまとめさせていただきます.

 第1に医学・医療の専門分化の傾向が上げられます.細分化された医学教育を受けた医師が,日本の医療を担う時に生じるトラブルへの危惧が,1970年,当時の日本医師会武見太郎会長らから提起されました.他方,病院の管理者からも,専門化された診療体制の問題点が指摘されました.病院管理者の危機感の一つの現れが,天理よろづ相談所病院での総合病棟の設置です.これは主に,専門細分化した内科系の診療体制のもとで,診療科を決められない患者や複数の疾患を持つ患者の診療に支障を来すという弊害を是正するために1976年に置かれました.

JIM臨床画像コレクション

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 頭痛は外来診療のcommon problemであるが,くも膜下出血や細菌性髄膜炎に代表される危険な頭痛の鑑別がまず重視され,頭部CTや髄液所見に異常がないと等閑視することも多い.今回,筆者らは患者の訴えの重要性を再認識した頭痛症例を経験した.

 症例は47歳,男性.湿性咳轍が出現した1週間後頃より.左側頭部より眼球後部にかけての過去に経験したことのない激しい頭痛を自覚.近医で鎮痛剤を処方されたが軽快せず,当科へ入院となった.経過中に鼻汁,後鼻漏,発熱はない.入院時,体温38,3℃,脈拍90回/分,呼吸数12回/分,血圧158/95mmHg.軽度の咽頭発赤を認めたが項部硬直,Kernig徴候,うっ血乳頭,頬部叩打痛を認めず.白血球14,400/μl,CRP9.6mg/dl.胸・腹部,副鼻腔レントゲン,頭部単純CTにて異常所見を認めず.髄液は水様透明で細胞数も正常であった.血液,尿,髄液,咽頭粘液の各種培養を施行し,抗生剤の投与を開始した.

Update '00

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 本年5月27日,28日の両日,大宮市防災センターにて第6回PTLS (Primary-care Trauma Life Support)講習会が開催された.

 PTLSを簡単に述べると,プライマリ・ケア医が救急処置を要する外傷患者に遭遇した時に必要となる知識,技術のことである.

基本情報

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JIM
10巻7号 (2000年7月)
電子版ISSN:1882-1197 印刷版ISSN:0917-138X 医学書院

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